〜09話€奇襲〜

なんとなく自分たちはこれから強くなって、準備を整えてから全員で敵に攻めていくんだと、どこかでそう思っていた

しかし現実は大きくかけはなれたものになってしまった…敵が攻めてきたのだ


ドーン!!!!


この前のミサイル実験と同じ音が今度は凄く近くでなっていた


???「さーて!任務任務っと~」


???「おい、ライディーク!あまり目立つような行動するなよ」


ライディーク「分かってるよザクソン!とりあえずアカネって女の子を捕まえてくれば良いんだろ?」


ザクソン「そうだ、ここにはあのスプーンのヤツらみたいな対抗する手段は無いらしいからな」


???(おかしい…前回に引き続き、なぜミサイルはセントラルシティに当たらないんだ。そして俺のワープホールもこんな遠くに・・・この国…何か隠してるな)


ミサイルの爆発が静まると同時に3人のデノール国家の兵士たちが何も無いところから出てきた

そしてそのうちの2人が妙なことを話しながらセントラルシティの民家がある住宅街の方へ走り出した


ユウ「!?この気は…失礼!この試合を放棄します!!」


対外試合の最中だったユウがそう言い残して走早にバトルタワーを後にしていった


セレナ「え!?ちょっとー!もうこれじゃ勝てないじゃない!!降参よ降参!!」


機械音「勝者!プードルチーム」


ナギサ「はい、アランさん毒はもう治りましたよ!」


アラン「あ、ありがとうございます!」


この前のミネトのようにアランにかかっているカイの毒をナギサが能力で治していた

セレナは不貞腐れた表情で2人のやり取りを見つめていた


カズマ「なんだったんだあの人?」


タツヤ「立ち去る時のあの人の表情…エンドウ!外の状況に何か変化がないか見てきてくれ!!」


その頃ミネト達はミサイルの爆風を受け、何かがあったことにいち早く気づき現地に向かっていた


ライディーク「あれ?何か正面から子供が4人来るぜ?」


ザクソン「ミサイルの爆発が気になって来た子供の野次馬だろ、気にせず通過するぞ」


ライディークとザクソンはスピードを緩めることなくミネト達の横を通り過ぎようとした


アルト「待てよあんたら」


ミズナ「ちょっとアルト!また失礼なこと言って!すいませんコイツが失礼なことを」


アルト「ミサイル落としたのコイツらだぞ、煙の匂いが強すぎる」


ミズナ「え!?」


マモル「そのようですね。この状況でミサイルが落ちた方向から来るのもおかしいですし」


ミネト「みんな…緊急時用の手袋をつけておけ…」


通常、スーツと一体型の手袋にミスティールコアを装着するが隊員の休日などのスーツを着ない時用に隊員にはミスティールコアを装着できる手袋が渡される

他にもゲーラーにはいろんな戦闘装備があるカイが能力を発揮していない時に持っていた剣もその1つだ


ライディーク「ザクソン、こりゃ完全にバレてるぜ?」


ザクソン「さすがにここで騒がれるのは面倒だな、処理してしまおう」


アルト「先手必勝!雷剣!」


ミズナ「またそうやって勝手に!マモルお願い!」


マモル「任せてください!機拳ナックル!」


ライディーク「うわっやばい!とでも言うと思ったか!」


ザクソン「まさかココにもコアを持ったやつらがいたとはな…だが・・・」


ライディークの胸の中央が紫色に光り、手に槍が現れた


ライディーク「グングニル!」


アルトがライディークのところに行くまでにライディークの槍がすごいスピードで前に伸び、マモルの機拳を2つとも粉砕した


ザクソン「スケープゴースト」


ザクソンの胸の中央も紫色に光り、ザクソンの周りには小人のゾンビが何体も出てきた

そしてゾンビたちは向かってきたアルトに一斉に飛びかかってきた


アルト「うわぁ!なんじゃこりゃ!!」


アルトは発動した雷剣を振り回して対応するが数が多く、徐々にゾンビがアルトの体を噛みつき始めた


アルト「いってー!!!!!!」


ミネト「ミネウチフィスト!」


アルトに飛びついていたゾンビ全部にミネトが1発ずつ攻撃を加えるとゾンビたちは地面に落ちて消えていった


アルト「別に助けてって言ってねーぞ!」


ミネト「アルト危ない!」


ライディーク「グングニル!」


アルトに向かって伸びた槍をミネトが拳で弾こうとしたが思ったより伸びのスピードが早く、ミネトの頬には切り傷が入り血が出た


アルト「お前、血が!」


ミネト「くそ、早いな」


マモル「こ、これが本物の戦場…僕はここで死ぬのか…」


ミズナ「ちょっとマモル!しっかりしなさいよ!!」


本物の戦場、仲間、敵、殺し合い、死、焦り、いろんな感情が頭をよぎる

初めての戦いで4人はいつもの調子が出なくなっていた


ザクソン「よくやったライディーク、コイツらはもうほっといて任務遂行を優先するぞ」


ザクソンとライディークがミネトらを放置し、走り出そうとしたその時だった


ユウ「君たちが足止めしてくれていたおかげで間に合いました、感謝します」


ミネト達の後ろに対外試合を抜けて飛び出していったユウが立っていた


アルト「誰だこいつ、見たことないな」


ユウ「自己紹介は後で、まずはこいつらを倒しますので君たちはセントラルシティへ避難してください」


アルト「誰だか知らねぇが俺も戦う!」


ユウ「足でまといだ!死にたくなければ早く避難しろ!!」


急な殺気立ったユウのオーラは熱くなったアルトの頭でもやばいと分かるほどだった

4人は素直に敵をユウに託し、セントラルシティへ向かった


ライディーク「なっ!アイツら逃げちまったぞ!しかもまた変なのが来たし!どうするザクソン!」


ザクソン「どっちにしろここで時間を無駄に食う訳にはいかない、すぐケリをつけて先に向かうぞ!」


デノールの2人組はユウに向かって走り出し、一気に2人同時に能力を使ってきた


ライディーク「くらえ!グングニル!」


ザクソン「あいつの足を止めろ!スケープゴースト!」


ユウ「能力発揮…矛盾」


ユウが能力を発揮すると手の甲にあるミスティールコアは黒く光り、右手には刀、左腕には盾が出現した


ユウ「お前らは矛盾という言葉の物語を知ってるか?」


ユウは前に1歩ずつ歩き始めると、何かを話しながら攻撃を開始した


ユウ「商人がこの矛はどんな盾をも貫き」


ユウの刀が一振されるとザクソンのゾンビ達は一瞬で消えていった


ユウ「この盾はどんな矛をも通さないと言い」


ライディークのグングニルを顔色ひとつ変えずに盾で受け止めた


ユウ「当の矛でその盾を突けばどうなるかと問われ反答に困ったという話だ」


ユウはデノールの2人組の目の前まで歩いてきた


ユウ「僕は思うんですよ、その2つを手にした者は最強の名がふさわしいと…お前らはどう思う?」


デノールの2人組は恐怖で何も言えずに怯えていた


ユウ「やはりこの問いに答えられる人はあの人だけか、もうお前らに用はない…我が愛刀その名を虚無(むなし)に切られることを光栄に思え」


シャキーン!シャキーン!


ユウは能力で現れた刀ではなく、腰に差していた本物の刀で敵を斬った


ライディーク&ザクソン「刀って矛なのか…」


そう言い残してデノールの2人組は死んでいった

その頃ミネトたちの方では・・・

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