にゃーと鳴くお前は何者ぞ
骨皮ガリオ
にゃーと鳴くお前は何者ぞ
変な生き物を拾った。
拾ったそれは吾輩とは全く異なる形であり、何とも記述のしにくい形である。そして、拾ったそれはぎこちない動きで吾輩の周りを歩き回り、こちらに擦り寄ってきては頭を擦り着かせて甘えてくる様なものだった。拾って間もない頃は可愛いものだと思っていたが、次第に大きくなるにつれ、少々鬱陶しくも感じる事もある。食事時の話だ。汁物を飲もうと手に取った際に擦り寄られ、その拍子に身体が揺すられて机に零してしまったときは反射でコラっ!と叱ってしまった、瞬間、ビクッと怯えと驚きが混ざった様子で早々と離れていき、一時期は怯えて近寄ってくることも無かった時があった。その様子に、流石に強すぎたか、と思い、好物のおやつを買ってくると見違えるほどに表情が変わり、買ったおやつをすぐさま口に運びながら、体を擦り寄らせてくる。現金な奴めと思いながらも一通り満足するまで相手をしてやると、ぎこちなく幼子にも似た、けれども男の低い声が混じった声でにゃーと鳴く。その声を聞いて、こやつは可愛いなと笑みがこぼれる。しかし、やはりと言うべきか、鳴き声を聞く度に可愛いと思う反面、違和感を覚える自分も居る。相反するその感覚は時として長く残り続ける。分からぬ、全くもって分からぬ。この名状し難い感覚と、この生き物が。故に、にゃーと鳴くお前は一体何者ぞ。
にゃーと鳴くお前は何者ぞ 骨皮ガリオ @tumetogibotan
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