第13話 Eルート バッドエンド
私は命令通りに動く兵器、それだけ。私は魔法陣から放たれる巨大なレーザーで手始めに私のいた村を焼き尽くしていた。村人の悲鳴が聞こえる。
「酷い、酷いよ、シロちゃん、君はこんな人じゃ、、、」
ソータが瓦礫からはいずり、こちらに声を投げかけてきた。
「、、、」
返す言葉がない。私は彼らに感情移入してしまっていた節があった。本当はいけないことだと分かっていたのに。彼らと共に過ごした時間はかけがえのないものだった。でも、じゃあ、どうして、、、
「シロ!」
「ヨーコ、ケーコ、、、」
「あなた、本当はこういう人だったの!?あんまりだよ、シロ!」
ヨーコは涙目になりながら言う。ケーコも、、、
「こんなのってないわ!あなた本当は最初からこのつもりで私たちに近づいたの!?」
「ち、違うわ、私はそんなつもりじゃ、、、」
「なら、この光景は何?あなたたちがやったんでしょ!?あんまりだわ!」
「私、私は、、、」
それは一瞬のことだった。極太のレーザーが彼女たちを飲み込んだ。
「あ、ああ、あああ、あああああああああ!」
「任務ご苦労、被検体第13号。お前には裏切り者の殲滅に出向いてもらう。しっかり頼むぞ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
私は意味もなく謝り続けた。そして他の地域も焼け野原にしていく。地球上は真っ赤な炎に包まれて、人間は1人も残らなかった。
「よくやった被検体第13号、お前は地底の世界に大きく貢献してくれた。そんなお前に贈り物がある」
手渡されたのは1つの小さな箱だった。
「それは自爆装置だ、自分の存在に耐えられなくなったら使いなさい。お前の任務はこれで終わりだ。後は好きに生きると良い」
私は二つ返事でそれを受け取り、すぐに自爆スイッチを押すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます