ガエンの島

第27話 ガエンの島到着

 ガエンの島到着。晴れててよかった。当たり前だけど……混んでるな。賑やかさはコトの島と同等かそれ以上じゃねえか? 木の建物の店だけじゃない。露店も出したり、屋台を出したり。あんな小さい箱を組み合わせて、店として出すってすげえ。


「それじゃ私はここで」


 ザクロさんとは途中で別れた。とりあえずお腹空いたから食おう。あ。ここ座って食えるのか。麺系。シュンガンで食ったラーメンに似てるというか字が同じだ。


「らっしゃい」


 干した肉と野菜を具にしたものを頼んで食う。あれ。シュンガンとちょっとちげえな。スープを飲んだら、味噌っぽい味したし……大陸から伝わって、今に至るって感じか。


「まいどー」


 食べ終わっていざ探索。店だけじゃねえな。舞台みたいなのがある。なんて書いてあるのかはさっぱり。けど布に演じてる人の絵が載ってるのは分かる。顔白いな。


「歴史物語。第10章星降る夜。開演まであと少しー! そこの旅人さん、どうです?」


 10歳ぐらいの黒髪の女の子が呼びかけ。どういったとこか、完全に理解してねえから聞いてみるか。


「すみません」


「はい」


「何をやってるのでしょうか。あいにく難しい文字が読めなくて」


 上にある木の看板を指しながら。子供普通に見上げてるな。


「ああ。ここはですね。劇や踊りをやってるんです。あと少しで語り部の方が登壇する予定になっております」


 名前で気になるのあったんだよな。


「確か星降る夜と言っていましたが」


「はい。120年前でしょうか。歴史でもあり、神話でもある。そういった出来事です。気になるようならお入りください」


 そんなわけで中に入る。暖簾をくぐって、受付のところで席を確保。時間表あったけど、カツカツだな。ぎっしり。売店のとこには絵があるな。色々見たいとこあるけど、そろそろ始まるだろうし、劇場の方に行こう。


「こら走るな」


 色んな人がいるな。小さい子がはしゃいで。親が叱って。友人同士が駄弁って。この数字はここだな。引き戸を開けると……やっぱり間近で始まるから人でいっぱいだ。よく席を取れたなと思うぜ。畳の床で座って見るスタイルか。胡坐をかいて待機。カワヘビだったか? 確かそこにいる語り部の爺さんが言ってたのと同じ気がするけど。


「カンカン」


 木と木を叩く音が響く。軽い感じだ。幕が開けられるな。どういう感じなのか。静かに聞いてみよう。

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