僕の手紙
ウニ軍艦
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夕日の眩しさに、目を細める。輝くオレンジ色へと、一歩一歩、進む……
踏み出した足に伝わる芝の感覚、光の温かさ、最初に来たときも、こうだった。今日の足音は一つだけど、ちゃんとちゃんと、覚えているよ。
大空の天井と海の絨毯の前で立ち止まる。この輝きは、君、そのものだ。
「見てる?」呟く。
綺麗な夕日……。今すぐにでも、写真に収めてしまいたい程に……。でも、その景色が霞んでいく、歪んでいく、滲んでいく、見えなくなっていく。
僕が瞬きをすると、雫が二つ、地面に落ちて行くのがわかった。とうに枯れたと思っていた涙だった。
一度、強く目を閉じて正面を見据える。こんな僕を見せに来たわけではない。
「………」
もう一度、最後にもう一度、思い出そうと思うんだ。
伝えるために、この気持ちを……
届けるために、僕の手紙を……
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