(二)-5

「一緒になろう」

 彼はそう言ってくれた。それがいつのことになるかはわからない。そして彼のことを待つ日々が始まった。貧しい農村にいても農業を手伝うしことしかできないし、人手は足りるだろうけどそれで家族の収入が増えるわけではない。収入は田畑の面積でほとんど決まってしまう。そういうわけで農家の二男三男はみな、都会へ出稼ぎに出される。

 彼も同じだった。長男である彼の兄は、彼の父の家業である農家を継ぐ。対して彼は出稼ぎに内地に出るのだ。


(続く)

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