(二)
三ヶ月後の三月二一日、私は地元の
駅では彼と彼の家族が来ていた。彼のお父さんは何も言わずに立っていた。お母さんは何度も何度も「健康に気をつけるのよ」「必ず手紙を寄越すのよ」などと繰り返し繰り返し言っていた。
彼の兄らしき若い男性は「お前は俺が高校に行かせてやるって言ったのに」「行くからには頑張れよ」などと話しかけていた。
小学生くらいの彼の弟と小学生に上がったくらいの妹が、それぞれ「私も行くー」とダダをこねて彼の左右から腕にしがみついていた。
(続く)
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