「そんなにギャルが好きかーっ!?」

【オタクに優しいギャル】


「えー、オタクくん!マジ、こんなオタクっぽい漫画、読んでんのー?超キモーっ!」

「か、関係ないだろ、キミには!ほ、ほっといてくれよぉ!」

「ちょっと、読ませろよー。オタクくーん!」

「あっ、勝手に読まないでくれよ!」


 数分後……。


「グ、グスッ……。な、なにこれ……。ちょ、超泣ける……。マジで泣けるんですけど、なにこれ……」

「そ、そうなんだよ!そ、その漫画、絵は所謂萌え絵ってヤツなんだけど、読んでみると凄くドラマ性が高いって言うか、泣ける話が多くてさ!」

「ヤバイ……マジ、ヤバイ……。このダリオが、愛するルシオのため、パンツ一枚で太鼓叩くとことか、マジ超ヤバイんですけど……」

「ああっ!そのシーン、最高だよね!!僕もそこで泣いちゃったんだよ!!」

「ねぇ、オタクくん。この漫画、借りていい?というか、全巻貸して」

「え?貸すのはいいけど……。その漫画、全部で100巻あるから、さすがに持ってくるのは……」

「あ、じゃあ、学校終わったら、あたし、オタクくんの家に行くわ」

「えっ!?」(ドキン!)

「いいでしょ、いいでしょ、ね?ね?」

「え、え!!ちょっ!ちょっと!(む、胸が!胸が当たってるんですけど!!)」




【オタクに厳しいギャル】


「オタクくん。学校で漫画読むのやめてくんない?」

「え?」

「一応、学校って勉強する場所だからー。その学校に漫画持ってくるとか、正直マジありえないんですけどー……」

「べ、別に校則違反じゃないだろ……」

「校則違反とかじゃなくてさー。心構えの問題って言うの?みんな、これから大学受験控えているからさー。オタクくんがこうして漫画を読んでると、みんな、緊張が欠けちゃうって言うかー……」

「う、うう……」

「別に人の趣味をどうこう言うつもりはないんだけどさー。漫画を読むのも個人の自由だしー……。でも、漫画読むんなら学校以外で読んでくんない?ホント、マジで」

「わ、わかったよ……」

「ホント、気をつけて。マジで」




【オタクを殴るギャル】


「オラァ!」


 バゴッ!


「グハァ!!バ、バカな、こ、コイツ!?いつのまに、我が『サスペリア・ディープレッド』の射程距離内に!?」

「どうやら、あたしの動きまでは読めなかったようね、オタクくん……」

「ハッ!!ま、まさか、さっきの『ダリオ・アルジェント』の写真!?アレはまさか、この瞬間を狙うために!?こ、コイツ!このギャル!?この瞬間のために、わざと『ダリオ・アルジェント』の写真をーーー!!?」

「ええっ……。おかげで、こうして、オタクくんの射程距離まで来ることが出来た……。あんたを思いっきりぶん殴れるまでの距離にね……(ゴゴゴゴゴゴ……!!!)」

「なんて、ひどいギャ……」


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」




【オタクを殺すギャル】


「拳銃に残った弾は、4発……。あとはナイフと手榴弾が一つ……」

「どうした?ギャル?俺を殺すんじゃなかったのか?」

「ええ……。殺すわよ、オタクくん……(拳銃を構える)」


 パーン!(拳銃の音)


「なっ、避けた!?オタクくんのヤツ!銃弾の軌道を読んで避けたと言うの!?」

「脇腹がガラ空きだぜ、ギャル!!」

「チッ!(持っていた手榴弾を取り出す)」

「その動きも……予測済みだ!!(ギャルの腕を蹴る)」

「しまった!!(手から手榴弾を落とす。再び、拳銃を構える)」


 パーン!パーン!(拳銃の音)


「オタクくんがまた銃弾をすべて避けた!?」

「弾の無駄遣いだぜ、ギャル……。もう、拳銃には、あと1発しか弾が残ってないんだろ?」

「くっ……」

「たった1発の銃弾で、なにが出来るんだ?ええ?ギャルよ?」

「拳銃には、弾が1発しかない……。ええっ……そう。確かにそうよ、オタクくん……」

「フッ、素直に認めるのか?」

「……でも、このたった1発で、あなたを……殺す!」



【オタクを無視するギャル】


「……」

「……」

「……」

「……」





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