別行動-船着場
三:(船着き場にて、無事に二人きり!犯行を目撃する者は居ないだろう)
雷:(よっしゃーーーー!!!)
三:(桟橋の上にリュックを下ろし、そこに入れていた小さなポーチからレインコートとマスクを取り出した。それらを着ながら。)
船の上にバケツがあるはずなんだ。僕が刺したあとでそれを取って、水を汲んでくれるかな?
最後の工作に使う事になる。
雷:? おう、わかった!殺した後に水を汲んでくりゃいいんだな。ドーンと任せてくれッ!(力強く自分の胸を叩き)
雷:そう、海水でいいからね。
(小型の船が近づいてくるのが見える。返り血除けを纏いナイフを裏で握ったカルティストに緊張感などなく、全てが上手くいくことを確信しているようだ)
雷:(今から目の前で人が殺されようというのに特に疑問や抵抗感を抱くことなく船へと視線をやって。…そういや、かけるさんとすげー仲良くなってたっけな。) 兄様ならきっとうまく殺れますよ。サポートは任せてくださいね!
三:ふふ、よろしくな!
(桟橋に船が止まると同時に乗り込んだ彼は、男に喋らせる隙も叫ばせる隙も与えなかった。
ぐさっ。
喉元を一刺し。)
(白色の紙マスクやレインコートに赤いしぶきが付着した。
男が倒れる前に、大きく身を震わせて踊るようにふらついたので、三品は戦場で怯んで距離を取ろうとした。どさりと倒れたその頭は偶然にも、沈んでいく陽の方角を向いた。)
(得物を抜かないせいか獲物の出血量は少ない。三品は足元のバケツを手に取ると時間がないという風に、急いで貴方に寄越した。)
雷:…ひ、(その様子に小さく悲鳴を漏らし、1歩下がろうとした。──違ぇ。バケツ。やらねーと!!兄からバケツを受け取ると走って船を降りた。それから急いで、バケツいっぱいの海水を入れる。)
兄様ッ、これ……!(少し経った後、海水が入ったバケツを持って戻ってきて)
三:!ありがとう。(マスクの下でも彼が柔和な笑みを浮かべているのは分かるだろう。今しがた人を殺した細い腕で、バケツを受け取る。
足が濡れないように船の外から水を流し込んで、死体にも水をかける。そうしていくうちに、徐々に、血液が海水と織り交わりだし、色づき始める。)
雷:(今朝まで生きていた彼が死んでいる。たった今、目の前で殺されたのだ。なぜ?兄が殺したから。それは正しいのか?当然正しい。何故なら我等が母様の為なのだから。その様子を見ながら、青年は歪に口角を上げた) …はっ。サイッコー…!兄様、オレは何もしなくていいのか?
三:……うーん。(レインコートの下から、ポケットに入れていた貝殻を取り出し。どうやら浜辺で拾ったようだ。)
着替えてる間に適当に撒いておいてほしいな。
雷:へッ?……お、おう。わかったぜ!(頷くと貝殻を受け取った。水を汲んだ理由も貝殻を撒く理由もわからないまま、ただただ兄の指示に従って貝殻を撒きに行き)
三:……そんなに深い理由はないよ。もともとトリックを仕掛けるのに適した環境でもないし。ただ不気味に演出しておくんだ。この中の誰かがやったとすぐには思いつけないように。
(マスクを外す。レインコートを慎重に脱ぎ、そっと海に浸して洗う。畳んで、専用の付属ポーチに両方を押し込むと再びリュックにしまう)
雷:ああ、人魚姫伝説に乗じた見立て殺人だもんな。でもうまく行ってよかったぜ!(由緒正しきSP一家と言うこともあり段々血に慣れてきたのか、少し無邪気に笑って。)
お疲れ、兄様。流石だったな!
三:そうだな!犯行現場を見られたりしたら大変だ。何とか終わって良かった。波羅夷君もお疲れ様、手伝ってくれてありがとう。
雷:我等が母様と兄様の為だからな!…うし、じゃあさっさとずらかるか。死体なんかの傍にいたくねーだろ?
三:そうだね。とっととずらかろう。(くすりと笑って)
(終了でいいかい?)
雷:(おう!)
三:(それでは、他の探索者たちが終わるまで待機していてくれ!)
雷:(了解!待っているぜ)
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