魔力量ゼロの追放勇者~クラス内最弱の俺がスキル〈死からの反撃〉で英雄となり世界を救うまで
@pu-yo
第1章 勇者召喚編
第1話 優心の告白
放課後。
明日から夏休みだ。
俺は学校の空き教室にいた。
机の上に椅子がひっくり返して置いてあり、後ろに詰めて並べられている。
そしてもう1人、クラスメイトの
俺が親友にお願いして呼んでもらったのだ。
緊張で心臓がバクバクしている。
でも、ここまできたんだ。
伝えなきゃ。
「上結さん、中学校の頃から上結さんの事が大好きです! 俺と付き合ってください!!」
俺は前々から練習を重ねていた告白の言葉を放った。
よく言った俺!
これで上結さんと――
「――ごめん、付き合うことはできない」
えっ!?
上結さんは非常に困った顔をしていた。
そのまま、スタスタと教室を出ていってしまった。
俺は1人になった後、現実を受け止められず、しばらく呆然としていた。
後からやって来た親友2人――
★★★
夏休みが終わり、今日は始業式。
非常に気分の乗らない中、いつもの通学路を重い足取りで歩いてく。
気分が乗らない1番の理由は、ずっと好きだった上結さんにフラれたからだ。
2番目は、夏休みが昨日で終わってしまった事だ。
告白の後、俺はフラれたショックで家に引きこもった。
色々考えない様に、趣味のゲームやアニメなどに浸りまくった。
2回あった登校日は仮病を使い欠席した。
それ以外にも部活がない日に家に来てくれたり、電話もくれた。
2人のおかげもあって、だいぶ気が楽になった。
そして今日の朝、「後1週間したら学校に行く」と二度寝をしようとしたら、母親にめっちゃ怒られ、しぶしぶ登校する事にした。
気が楽になっても、気分は乗らないよな。
夏休みの間に、俺がフラれた話は広まってるだろうし、上結さんには顔合わせづらいし。
元々、上結さんとはそんなに話してたわけではなかったけど。
「よお!
朝とは思えない元気な声で黒髪ツンツンヘアのイケメン男――連次郎が走って隣にやって来た。
「後、1週間休むって言ったらめっちゃ怒られたから来た」
「そりゃ、怒られるだろう」
「まあ、そうだよな」
そのまま2人でくだらない話をしながら歩いていく。
「優心、連次郎、おはよう」
靴箱で、靴からスリッパへ履き替えていると後ろから聞きなれた
この声は三城だ。
声だけではなく、顔も女の子と間違うような感じで制服が男物じゃなかったら、ほとんどの人が女子と間違うだろう。
でも、三城は男だ。
それは間違いない。
連次郎が「よお」と片手をあげる。
「優心、ちゃんと学校来たんだ」
「後、1週間休むって言ったらめっちゃ怒られたから来た」
「それは、怒られるよ」
「まあ、そうだよな。連次郎にも言われた」
そのまま3人で喋りながら教室へと向かって行く。
「よお!」
「おはよう」
連次郎と三城はクラスメイトに挨拶をし、俺は無言で教室へと入って行く。
「連次郎、おはよう!」
黒髪の短めの髪を後ろで束ねた女子が連次郎の元へやってくる。
連次郎と寄国さんの邪魔をしないように、俺と三城は離れてそれぞれの席に座る。
「三城君、おっはよう!」
「月山君、おはよう」
茶髪のロングヘアで巨乳の女子――
風折さんと、夏野さんのあの髪はどうみても地毛ではないだろう。
髪を染めるのは一応校則で禁止されている。
2人ともクラスの中心的な女子で俺は苦手だ。
ほとんど話したことはないけど。
「よお、
俺の机に男三人組――茶髪で不良の
「おはよう」
俺が挨拶を返すと、蒼井が俺の一番触れてほしくない事を聞いてきた。
「勇崎。お前、
蒼井と取り巻き二人がニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべてる。
「そうだけど」
俺はそっけなく返す。
ああいうのは、変な反応すると余計面倒くさくなるからな。
俺がスマホをいじりだすと蒼井たちは面白くなさそうに離れていきそうな時だった。
「おいやめろ! 勇崎君が困ってるだろ!」
「はあ! どこが困ってんだよ。
声を荒らげてやってきたのは、イケメンメガネの男、
「困ってただろ! 勇崎君!」
俺は公正、お前に現在進行形で困ってるぞ。
面倒くさいな。
蒼井たち、離れていくところだったじゃん。
「なんか言えよ! 勇崎!」
「「そうだ、そうだ」」
蒼井が俺に怒鳴ってきて、取り巻きの二人がそれに便乗してくる。
うるさいな。
みんな、こっち見てるじゃん。
「2人とも落ち着けよ」
彼女と話していた連次郎がやってきて仲裁をしてくれた。
公正、蒼井とその取り巻きは俺の席から離れていった。
「ありがとな、連次郎」
連次郎だけに聞こえる小さな声でお礼をすると、「よお」って感じ軽く手をあげて戻っていった。
あっ。
上結さんと目が合ってしまった。
「うるさいな」って感じの顔をしている。
そして隣にいるのは、黒髪のロングヘア、胸は上結さんと違って少しある感じの女子、
ちなみに七宮さんは上結さんの友達で同じテニス部だ。
俺は、気まずくなり目を逸らした。
――――その時だった。
教室の床に白に光る魔法陣の様なものが表れ――刹那、教室は白い光に包まれた。
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