第5話【スキル編成】と【アイテム】

 2時間程、歩き続けただろうか。


 太陽が沈み始め、周囲が暗くなり始めていた。


 これは野宿かなぁ


 そんなことを考えていたが、この2時間でわかったことがある。


 何とこのスマホは充電不要であった。


 バッテリーマークはあるのだが、基本的に減らない。ご都合主義的なものであるのだろうが、魔力か何かで動いており、勝手に周囲から魔力を吸収してバッテリーを充電しているのだろうと思うことにした。


 そして、【女神の楽園】のホーム画面にあった【スキル編成】。


 これはそのままの意味でスキルを編成できる内容であった。


 アイコンをタップしたところ、先ほど手に入れた【創生】と4つの空白欄が表示された。


 空白欄をタップすると、【編成できるスキルがありません】と表示されたことから、スキルを手に入れたらスキルを編成できるのだろう。


 残りの枠が4つしかないのが気になったが、【創生】をタップしたら、【スキルを取り外しますか】と表示されたので入れ替えはできるのだろう。

 もしかすると、そのうち編成数も増やせるかもしれない。


 しかし、【創生】以外にスキルは何もないのか。   

 まあ、このアプリ自体がチートみたいなものだから、後々スキルを増やしていけばいいだろう。

 色々なスキルを入手したら、編成に悩みそうだが今のところは気にする必要はないな。


 俺はそう思い、【スキル編成】を閉じて、ホーム画面に戻った後、【アイテム】をタップした。


【アイテム】も【スキル編成】と同じく、そのままの意味で所持しているアイテムが表示された。


 しかも便利なことに召喚したアイテムであれば収納できた。


 【収納可能アイテム】と【収納アイテム】の2つのインベントリがあり、【収納可能アイテム】に表示されていた【湧き水約0.6ℓ】をタップしたところ、【収納する】と【廃棄する】の2つの選択肢が表示された。


【廃棄する】はそのままの意味でアイテムがなくなってしまうであろうから、要らないものが手に入ったら試すとして、俺は【収納する】をタップしてみた。


 すると手に持っていたペットボトルが消えて、【収納アイテム】欄に【湧き水約0.6ℓ】と表示された。


 ただし、収納数の表示が0/10となっていたのが、1/10に変わり、全部で10種類しか収納できない仕様であった。


 ゲームだとアイテム等を使用することで拡張できたので、これも同じ仕様だとありがたいな。


 試しに収納数の表示をタップしてみたところ、


【5拡張 魔結晶100個】


と表示され、魔結晶を使用することで拡張できることがわかった。


 魔結晶の使用は痛いが拡張できるのはありがたい。


 収納魔法みたいなのが存在しているならば不要になるかもしれないが、それまでは使えるのだから、ある程度は拡張しようと思った。


 そんなことをしているうちに日も沈んでしまい、遂に夜になってしまった。


 食料については、道中にあった木にリンゴのような実が数個なっており、試しに皮膚につけたり、舌で舐めてみる等のパッチテストをしたところ、異常がないことから食べてみた。


 すると酸味は強かったが、見た目そのままのリンゴの味がしたので、食べられそうな実を5個程入手しておいた。


 これも収納できないか試してみたが、やはり召喚したアイテム以外はできないのか、どうやっても収納できなかった。

 同じように俺が創生したサバイバルナイフも収納できなかったので、ナイフはいざというときのために右手に持ち、リンゴっぽい木の実はスーツの上着を風呂敷がわりにして持ち運ぶことにした。


 夜に移動するのは危険だと思い、俺はその辺にあった石の上に腰を下ろした。


 今更だが気温もちょうど良くて助かったな。


 気温については、日本みたいに四季があるのかはわからないが、春くらいの陽気であり、上着を羽織っていなくても過ごしやすいと感じられた。


 これで冬や夏のような気温であったら、凍死したり、脱水症状で倒れていたかもしれないな。


 そんなことを思いつつ、寝る前に確認していなかった【図鑑】と【ミッション】を確認しようと思い、俺は【女神の楽園】を立ち上げたのであった。

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