須磨(すま)

 朧月夜との関係がその父である右大臣にばれた源氏。それによって自らが後見する東宮にも災いがかかる可能性がありました。そこで源氏は自ら須磨へと退去することを決意します。彼は少ない供を連れて須磨へ下っていきました。紫の上は京においたままです。


 須磨に辿り着いた源氏はそこで、絵を描いたり都の人と文通をしたりして時を過ごします。そんなある日、親友である頭中将が須磨を訪ねてきました。左大臣家の頭中将は、右大臣の権勢下でも源氏との交わりを止めなかったのでした。三月、激しい台風が起こり、源氏を始めとする人々はおののきます。

 豪風雨が続く日々。そんな中、都の紫の上から手紙が届きます。そこで、都でも豪風雨が起こっていること、厄除けの仁王会が開催されたこと、都の政治が止まっていることを知ります。源氏たちは都に残してきた人々を思うのでした。



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