第7話 島崎柚木の誕生日前日

<花憐side>

今日は8月9日。

明日がゆずくんの誕生日!なのにプレゼントが買えてないです!

どうしよう。

ちなみに0.03ミリのやつは布団の下に隠したからバレないと思う。

ていうかバレたらゆずくんが、私の部屋に入ったってことでしょ?

彼氏でも自分の部屋を見られるのは恥ずかしいよね?

それって私だけ??


そんな事を考えながら歩いていくとショッピングモールについた。大きすぎるくらいのショッピングモール。

ここに来たのはゆずくんの誕生日プレゼントのお洋服を買うため。

ゆずくんは白い服が好きらしい。

この前タンスの中を見せてもらったとき服は白い服しかなかった。


『なんというか真っ白だね』


『まぁ俺白い服が好きだからな。白ってきれいじゃね?なんか雪みたいじゃん』


『ゆずくんセリフが女の子みたいだよ?『雪みたいじゃん』ってなんかかわいいね』


って感じの会話をしたと思う。





お洋服屋さんには白のペアルックパーカーがあったからそれを買っちゃった。

いつか一緒に来てデートしたいな。

パーカー以外のプレゼントも買おうと思ったけどパーカーの値段が意外と高かったから諦めた。

喜んでくれたら良いな。



<柚木side>

朝起きるとすぐ花憐は買い物に行くと言って家を出た。

一人ですることがなかったから俺はリビングのソファーに座りテレビを見ているとふいにチャイムが鳴った。


「はい。どちらさまで、す、か?」


「やあ。朝からすまないねぇ柚木くん」


ドアを開けるとそこにいたのは重行さんだった。



                  ◇



「えっとぉ今回はどのようなご要件で我が家へ?」


「そんなにかしこまらなくていいよ。なんせ君は私の愛娘の夫なんだから」


夫?!

俺そんなこと言ったっけ?!

いやでもこのまま行ったらそうなるのか。


「で、まあここに来たのはちょっと頼みたいことがあってね」


頼みたいことか。

重行さんが俺に頼みたいことってなんだろう。

本屋のバイトとか?


「由希奈ーお願い」


いつの間にか来ていた由希奈さんに重行さんは声をかけた。


「柚木くん。お願いなんだけど子猫を育ててくれないかしら。」


突然言われたその言葉に俺は目を丸くした。

なぜ猫?


「無理を承知でお願いしてるのはわかってるけどお願いできないかしら。」


「わかりました。でも1つお願いがあります」


俺のお願いは8月15日までここに猫ちゃんを連れてくるのを待ってもらうこと。

その後はいろんな世間話をして11時になる頃月宮夫婦は帰っていった。

猫かぁ

花憐喜んでくれるかなぁ。

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