第2065話 存在意義

泊まりに来ている孫息子(小4)が夜、布団に入ってからもなかなか眠らず、ずっと喋りかけてくる


「どうした?明日(釣りで)早いぞ?寝ておいたほうが良いよ?」


「でもジージとの時間を大切にしたいから」


えっ・・・


「なに?どうしたん?笑」


「ボクが10才でジージが55才で。45年あと、ボクが55才になったら、ジージみたいに優しいかなぁって」


「・・・・・・」


「お姉ちゃんは13才だから、ボクより3年たくさんジージに優しくしてもらってるけど、ボクはお姉ちゃんよりずっとたくさんジージといるでしょ、釣りとか」


「まあ・・・ね」


「ボクはジージにもっと長生きしてもらいたいし、もっとジージに優しくしてほしいなーって」


「なに?はっきり言えば?笑」


ガバッと起きた孫息子が自分のスマホを開くと、何かを検索して俺に見せてきた


「ほらこれ!来年2月1日に『呪術廻戦 戦華双乱』ってのが出るんだけどいま予約したら早期特典で『呪術高専1年生衣装セット』がダウンロードできるの!こんなお得な話、ないよ!!」

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