第1922話 意に反して
昼12時過ぎ
ミサンガなどの小物を売っている露天商(無許可)の顔見知りの外国人男性から
「50% offを日本語で書いてほしい」とマジックと白い紙を渡されたU部長(46)
つまり「半額」と書けば良いのだなと理解したが
ニヤリとしながら依頼してきたその外国人、漢字に疎(うと)いわけでもないのに
あえて「書いてくれ」と頼むのは、日本人の俺に"何か"を期待しているのかも知れない、と思い
紙に文字を書き、渡した
15時過ぎ
商店街に顔を出すと外国人が居ないので
斜向かいの天ぷら屋に聞いてみると、どうやら商品が瞬く間に売れてしまったのだという
商店街を歩く通行人が次々と立ち止まり
漢字の間違いを指摘するとともに、外国人から間違えた理由を聞き
50% offと書いてほしいと頼んだ外国人が漢字を知らないことを良いことに
笑い物にしようとした日本人がいるとは酷い話だ、同じ日本人として恥ずかしい、お詫びに一つ買わせてもらいます、と
次から次に売れたのだという
客のツッコミを期待して「半袖」と書いただけなのに。
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