第1913話 もはや別物

夏休みの宿題の意義は「学習習慣を崩さないため」というが


宮里くん(26・脳筋王子)に課した日記の意義は「抽象的思考が出来るようになるため」だ


日記は、自分の思いや考えを言語化しようとする過程で


思考力や抽象化の能力が鍛えらえるのだ


1週間が経ち、ちゃんと書いてるのかどうか見せてもらった


宮里「すみません、あまり書いてないです・・・」


1日目

『中学のとき、隣のクラスから外側の窓を伝って入ってきた先生がいた』


2日目

『前を歩く森くんが突然ずるるるっと転けた。道に落ちていた一本の割り箸に185センチ95キロが倒された』


3日目

『たまに谷さんからのメールが迷惑フォルダーに入っている』


4日目

『エレベーターがくさい。たーがや(誰だ)?』


5日目

『◯◯公園に泣いている男の子がいて「どうしたの?」と声を掛けたらトイレを指さしたので、トイレに何か落としたのかと思って見に行くと何もなかった。出てくると男の子もいなかった』


6日目

(記載なし)


7日目

『小学校でハゲ山の一夜を聞いたとき、タケシーおじさん(永山)の夜の物語かと思った』



う~ん。

潔いほどその日の行動には触れんのだな。

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