第1305話 それ聞く?

最寄りのスーパーには大きな薬局も隣接されていて


色々と足らなくなった日用品をカゴに入れていると、かなりの量になってきた


まだこれからスーパーも行くし、そろそろ止めとくか。


レジに向かう


ポイントが3,000円ほど使えたが、それでも1万近くの買い物になる


「袋どうしましょう?大きな袋で二重にしておきましょうか?」


薬局出ても駐車場の車までだし、家に着いてからも距離は知れている


「いや、1枚で大丈夫です」


そう言って店を出たものの、下げると結構な重量だ


箱の角などで袋が破れないよう、衝撃を与えずゆっくり車まで歩く


一旦車に積み、そのあとスーパーに向かう予定だ


さて、車にあと10mという距離まで来たところで、不意に女性の押すカートが飛び出してきた


おっと。


カートを避けようと袋を振った瞬間、ピッと縦に亀裂が走り袋が破れた


買ったものがダダーッと落ちる


「あ〜やってもうた・・・」


一瞬、立ち尽くしたまま地面に落ちた商品の山を眺めていると


「あっら〜何してんの〜?!」


スーパーの重鎮パート・比嘉さん(68)が、空のカートを押しながらこちらにやってくる


どうやら今日は駐車場のカート整理に回っていたようだ


「こんなぶっちゃけて〜・・・予備の袋ある?ないの?とりあえずこのカートに乗せましょうねー」


そう言って、落ちた商品を拾うのを手伝ってくれた


「無香空間。無香空間。2.7倍アリエール。メリット。2.7倍アリエール。強力カビハイター」


手伝ってくれるのは嬉しいけど、いちいち読み上げないでくれます?


「流せるトイレブラシ。激落ちくん。シービック・・・なに?デオナチュレ 足指さらさらクリーム。ライオン Ban 汗ブロック足用ジェル。VO5。スーパーハードジェル。」


何それは、普段のレジの癖なの?笑


「リセッシュ。ソフター。綿棒。以上かな?」


「うわ〜比嘉さん助かったわ〜有難う!!」


「・・・足くさいの?」



( ̄▽ ̄;)

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