第1287話 年頭訓示
デスクで自分の仕事してる時でも
周りで皆んなが話してること
電話の受け答えとか
そういうことにアンテナ張り巡らせとくのや
客先でも同じ
頭上に飛び交うそれぞれの、思惑雲の跡を何本確認できるかってのが
U部長「TさんTさん、"頭上に飛び交う雲の跡を"なんて言ったら上を見そうな奴らが数名います」
「あ、そうか。頭上に飛び交うそれぞれの、思惑雲の跡を・・・というのは比喩表現ですが、何本確認できるかってのが」
「比喩って意味、分かりますかね?」
「分からんかな?頭上に飛び交うそれぞれの、思惑雲の跡を・・・というのは分かりやすく言い換えた表現で、思惑雲ってのは人それぞれが考えている頭の中のことを言ってるわけですが、それを何本確認できるかってのがやり手の」
「"何本確認"って表現もピンとこないんじゃないですか?もう少し崩した方が・・・」
「そうかなぁ?じゃあ、頭上に飛び交うそれぞれの、思惑雲の跡を・・・というのは分かりやすく言い換えた表現で、思惑雲ってのは人それぞれが考えている頭の中のことを言ってるわけで、それをね、その考えてることってのは次から次と変わるやない?その考えの足跡ってのを、雲の跡って言いたいわけですよ。あ、雲は人じゃないけど、そこはあえて擬人化して足跡と言った表現を」
「寿限無化してきてません?」
こうして、俺が沖で不在のためU部長に代読をお願いしていた4日の訓示は消滅した
「たどり着け 道は何通りでもある」
それだけ貼り出してもらうことにした
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