第1154話 味は良いのだから・・・

近所にできたイタリアンレストランに事務のM嬢・R嬢を連れて行った


いや、正確には付いていった


本当は女子2人で行く予定だったらしいが


その店はピザが売りで、通常の1.5倍ほどの大きさがあるらしいので


それを頼んでしまうと他が食べられないし、他を食べたらピザに行き着かないし


そんなわけで俺(の胃袋)が同行することになったのだ


そうして食事がスタートし、そのうち赤エビのアヒージョとバゲットが運ばれてきた


人数分、大きな赤エビが入っているので、俺の分を先に小皿に取り分ける


「うっわうま!」


めちゃくちゃ美味いやないか・・・とりあえず胴体を食べ、頭は最後に齧ろうと皿に残していた


するとホールの男性が近付いてきて


「こちらお下げして宜しいですか?」頭の乗った皿に腕を伸ばしてくる


「いやいやいや、まだ食べますよ?」


「・・・失礼しました」


なに?

頭食べたらあかんの?


正面のM嬢・R嬢も「(エビの頭って)食べないんですかね?」と言うので


そんなわけないやろと齧りつく


あたま、うっま~♡


やっぱりエビの頭は最高やな~と話していると


違うホールの男性が近付いてきて


M嬢・R嬢分のエビの頭が残っていたアヒージョの鉄板に手を伸ばし


「こちらお下げして宜しいですか?」と言う


「えっ?まだ食べます・・・」


「あっ失礼しました」男性は去っていく


M「やっぱり頭食べたらダメなんでしょうか?」


俺「いやいやそんなことないやろ~」


「でもどうして下げようとするんでしょうね笑」



その話を翌日、事務所で話していたところ


「生は食べたらダメって言いますけどね・・・」


そう言いながら金城くん(28・ウチの頭脳派)がその店をググってみる


「・・・あ笑」


「なに?」金城くんの指差すPC画面を覗いてみると


『この店やたら皿を下げたがる』


『エビの頭、食べられなかった』


『赤エビの品質に問題あるのか?』


おお・・・皆さんもそうだったのか笑


そんな中、とあるグルメサイトに店側がお詫びを載せているのを金城くんが発見


『この度は大変ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。今後は皆様のご期待に沿うべく、店内でのアメニティ・ホスピタリティを今以上に充実させて参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます』


金城「充実・・・ん~ちょっと分かった気がします」


俺「えっ?」


「恐らくこの店、混んでくると一部食器が足りなくなるのですよ」



その数日後、ウチの娘たちが店に伺い


同じようにアヒージョを注文し


エビの頭を残して置いたままにしているとホールの男性が近づいてきたので


「あ、まだ食べますよ。それともこれ足りないですか?お返ししたほうがいい?」


上の娘が鉄板を指して先手を打ったところ


「あっいえいえいえいえいえ大丈夫です!」


えらく慌てて離れていったという。


早く買え!食器!( ゚∀゚)o彡°

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