第955話 面倒なママ

長らく顔を出していなかった地方のラウンジにお邪魔した


長らく顔を出していなかった理由は、単にママ(57)が苦手だからだ


(今回は馴染みの女子にお祝いの品を渡したいから仕方なく参上した)


ママは自己顕示欲が強く、すぐ女子の話をかっさらう


そして延々と面白くもない話をする


「これだけお金を使ったわよ」か「何処そこの誰それが亡くなったのよ」しかしない


今回も


「2年前にウチの若い子たち連れて泊まった沖縄のモントレの部屋が汚くて『もっと綺麗な部屋にしてよ!』って文句言ったら新館に変えてくれて一部屋7万もしたけど綺麗だったわ〜もちろん全部私が払ったのよぉ〜」


ママが席に付いてのオープニングトークがそれだった


そのうち「自分の元住んでいた地域は土地が呪われていて次々と御近所さんが死んでいったけど私は護られているから死ななかったのよぉ〜」の話になり


「それにしてもほんとモントレの新館は綺麗だったけどそりゃあ7万もするわね!私が全部払ったんだけど!アンタたちも綺麗だったでしょ?ねっ?ねーっ!」と話が元に戻り


そのタイミングで俺の馴染みの女子が


「モンのつくものは何でも高いですもんねぇ〜」と相槌を入れたところ


「なにアンタそれはウチが高いってこと?やだわぁ聞き捨てならないわぁー!」とママが怒りだす


「いえ、そうでなくてモンクレールとかっていう意味で・・・」


「とつぜん意味のわからないことを言うんじゃないわよ全く!」


女子もまさかの誤爆で焦っていたが。


女子「ていうかママが付いたらほとんどママしか話さないのに『ちゃんと会話しなさい』とか『入ってきなさい』とか言うわけ。入れるわけないし、話したら的外れみたいに扱われるので困ったものです・・・話せない、というより話させない、の方が合ってるかな」


またモン・シェリから足が遠退きそうだ・・・

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