第943話 あらびん

先ほど立ち寄ったコンビニでドリンクを物色していると


入り口から、両膝擦り剥いて血だらけの腕白なオジーが入ってきた


まだ血が流れてる・・・


オジーは膝を気にする風でもなく、雑誌コーナーで立ち止まると


文春だか新潮だかを取り上げてペラペラ読んでいる


ものの数十秒で購入する一冊が決まり


500ミリのお茶のペットボトルを掴むとレジに向かう


店内には俺を含めて6人ほど客がいたが、その間、誰も声を掛けられずにいた


が、ようやくレジのタトゥーだらけのハーフの店員が


「それ、大丈夫?」と声を掛ける


「ん?あー、あらびんあらびん。」


「あらびん?」


「あらびんやっさー」


そう言ってオジーは普通に出ていった


あらびんてなに?


その場でスマホをググってみる


中々出てこなかったが、どうやら「あらび」=「たたり」のようだ


・・・たたりなの?(;´Д`)

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