第803話 肉塊

とある街の、とある交差点にその焼肉屋はある


店の名前は「肉塊」


肉塊(にくかい)という単語、俺の中ではこう使われるイメージだ


「ガトリングガンの集中砲火を浴びた兵士たちの体はズタボロの肉塊と化した」


・・・まあ、あまり良いイメージではない


攻めた店名だな・・・そう思いながら、普段は車で通り過ぎるだけだったが


仲間とその店の話になり、ある日実際に行ってみた


店内の壁には直接、沢山のサインが描かれており、それなりに有名なようだ


実食すると「精肉店直送◯◯牛」と謳われている通り、なかなか美味い!


店名について、思い切ってホールの店員に訊ねてみた


「肉塊ってまた、凄いネーミングですよね」


それを聞いた店員は苦笑いで答える


「よく間違われるのですが、肉塊じゃなく肉魂(にくだましい)です」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る