第788話 丸めたかった件

室町時代、一休さんが


足利義満から「屏風絵の虎が夜な夜な抜け出して暴れるので退治して欲しい」と言われて


「では捕まえますから将軍様、虎を屏風絵から出して下さい」と切り返した、有名な話があるよね。


安土桃山時代には果心居士という幻術師(行者)がいて


その評判を聞いた明智光秀が屋敷に呼んで酒を振舞ったところ


「お礼に術を見せましょう」と


座敷にある、湖を描いた屏風絵の、遠くに描かれた小舟に手招きすると


次の瞬間、屏風から水があふれ出し、座敷は水浸しになり


果心居士は屏風から出てきた舟に乗り込むと、ふたたび絵の中に戻り、次第に小さくなり消えていった・・・


そして二度と現世に姿を現すことはなかった、という話は、知ってる?


沖縄だとあれ、子守唄に出てくる耳切坊主(みみちりぼーず)な。


黒金座主(くるがにざーし・実在)という、手癖が悪く、女を騙しまくってどうしようもない坊主が


北谷王子(ちゃたんおうじ)との碁の勝負に負け、耳を切り落とされ、そのケガが原因で死んでしまうのだけれども


残った怨念が、夜な夜な耳切坊主となって現れては、子供の耳を切るようになったという話な。


このように、いつの世にも坊主がいて、「徳」の象徴でもあれば「業」の象徴であるようにも描かれるわけよ


まるで俺やない?自分で言うのおかしいけどフッフッフ。


まあそんなわけで、そろそろ頭を丸めてみようかと思ってるわけ。



・・・そんな話を事務所で言ったところ


U部長「ますます亀頭じゃないですか」

金城「クーラー直だと風邪引きません?」

M嬢「立場考えなさいよ」

上の娘「反社感が増すから止めて」

下の娘「徳、あるんだ・・・笑」


散々な言われようだった


暑いから、手抜きしたかっただけなのに。

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