第784話 なんぞこれ

長袖シャツをクローゼットに仕舞おうとして


とあるシャツの胸ポケットから、なんと8,523円、出てきた


紙幣は良いとして、なんで小銭に気付かんのかという話なんだが


そのシャツ、汚れている訳でもなく洗濯した形跡もなく(紙幣が濡れて乾いた感じでは無かった)


うわ、なんかラッキーやん?


明日の晩飯兼飲み代ができたやん?なんて喜んでいた


で、もしかすると別のシャツのポケットにもまだ何か入っているかも知れないと


クローゼットに仕舞っていた春物のシャツ類などの、ポケットというポケットを探ってみたが


流石にそう都合良く、次々と何かが出てくる訳もなく。


結局見つけたのは、最初の現金のみであった


が、ふとクローゼットの奥、3段目に畳んでいたジーンズに目が留まる


ノンウォッシュの高っか~いジーンズを買ってきて


漂白剤とかタワシとか使って、時間掛けてダメージ付けていった一本なんだが


何度も手を加えるうちに、濃いインディゴブルーが白に近いスカイブルーにまで色落ちしてしまった


とんと履かなくなって3年


時間と手間を掛けたから捨てるのも忍びなく、放ったらかしにしていた一本だ


これなぁ・・・

もう2度と履かないだろうけどなぁ・・・


そんなことを考えながら手が伸びる


ジーンズを、バサっと拡げてみる


履けないこともないが、やっぱ色がなぁ・・・


ほぼ3年振りに、なんとなく足を通してみることにした


う~ん


やっぱりこれ、履いて出掛ける気にはならんな。


ふと何気に、各ポケットをまさぐってみる


ある・・・

右ケツのポケットに何か、いろいろ入ってる・・・笑


引き出してみる


じゃがポックルの小袋。粉々のハッピーターン。粉々のカントリーマアムと共に


鹿児島天文館の風俗案内所の名刺が出てきた


記憶にございませんな・・・

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