第737話 もやし
昼の12時30分に事務所に戻ると、珍しく10人ほど席にいる
普段は事務員2人だけなのに。
暇だという訳ではなく、たまたまそれぞれが近場での仕事中、昼飯どきに立ち寄った感じのようだ
俺はコンビニでチンしてもらった"豚もやし"のフィルムをはがし、自席で昼食を取りはじめる
皆はそれぞれ、昼食を食べ終えてネットを見たり、昼寝したりしているので
大勢いるにもかかわらず事務所内はシーンとしている
そんな中、豚もやしを食べているのだが
シャキッ、シャキッ、シャキッ、シャキッ
口の中でもやしを噛む音が響く
・・・ん?
微かな疑問が湧いてくる
この音って、俺の頭の中だけに響いてるのだろうか?
シャキッ、シャキッ、シャキッ、シャキッ
結構な音がしてるけど・・・
シャキッ、シャキッ・・・シャキッ。
ちょっと噛むのをやめてみる
周囲を見渡すが・・・
う~ん、聞こえているようには見えないか・・・
事務所が静かすぎて、俺が過敏になってるだけか?
シャキッ、シャキッ、シャキッ、シャキッ
やっぱり響くなぁ・・・
食べる音が響くって、なんかヤダなぁ・・・
聞こえていないにしても、もう少し控えめに噛んでみるか。
シャ。 キィ・・・。 シャ。 キィ・・・。 シャ。 キィ・・・。
それでも響くなぁと思いながら控えめに食べていると
3席先で、机に突っ伏して寝ていた谷やんがムクッと起きて
「そんな気弱な!」
俺に向かって爆笑
どうやら同じことを思っていたらしい大場くんと坂下くんと森くんも大爆笑
聞こえとったんかい!!
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