第734話 代用

とある月曜の朝礼。


あいにく俺は出張で不在であったが、U部長を中心に朝8時から始まった


月初でもあるので、神棚に米を供え塩を盛り、酒を入れ替えるのだが


どうやら神棚用の酒を切らしていたようで(沖縄では清酒がほとんど製造されないため、焼酎を使う)


神棚の段取りを任されていた大場くんが慌てて「誰か酒、持ってない?」と聞いて回る


「これならあるけど?」谷やんが机の引き出しからテキーラを出してきた


テキーラなんて良いのかなぁ・・・と思いながらもU部長に怒られるのが怖い大場くんは


そのまま瓶子(へいし。酒を入れるもの)にテキーラを注ぐ


"うわ臭っせ!!"


顔をしかめながら蓋をして神棚に置く


それを見ていた金城くんが「お供え時には蓋は取るのですよ」と言ったため


大場くんは蓋を取り、朝礼が始まった


開始1分。


「臭っさ!!」


「なにこの匂い?!」


大騒ぎになり、大場くんがテキーラ投入を白状する


「お前な!神様怒らせてどうすんだよ!」結局はU部長に叱責されたそうだが


俺「だからって冷蔵庫の『みりん』に替えさせたんやろ?それもどうなん?」


U「臭みが取れて照りも出て・・・」


ウチの神棚にはブリがいるのか。


お供えする酒は「コメ由来」であれば何でも良いそうだが、それでも許せるのは料理酒までかな・・・


※テキーラはアガベ(多肉植物)

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