第710話 器量

事務所の向かいにあるビルの一階に


いつの頃からか、狭いカウンターだけの居酒屋ができたなぁーと思っていたら


緊急事態宣言中にバリバリ全開でアルコール提供もしていて


気がつけば毎夜大盛況、どうやら立ち飲みバーだったようだ


店は、細く奥にL字のカウンターになっていて、奥がL字の底辺


10人も入れば満席なのだが、多い日には15人程、ぎゅうぎゅう詰めで飲んでいる


店の外にもテーブルがあって(本当は歩道なのでダメなはずなんだけど)


店の入口横の小窓から注文の品の受け渡しができ、そこでも盛り上がっている


毎夜毎夜、その一角だけが凄い盛り上がりなので


たしか40代のお兄ちゃんが一人で切り盛りしていたと思うが


やり手だなぁ・・・感心しながら、眺める日々だった


いつか機会があれば、空いているときにでも入ってみたいなぁ~と思っていたら


緊急事態が解除になってからは、満席かガラガラのどちらかという、両極端なオセロ状態が続いた


なんでだろう?と観察していると、ある法則がわかった


お兄ちゃんだけかと思っていたが、日によっては若い女性2人でやっている場合があって


ガールズバーなら大盛況

お兄ちゃんだけなら開店休業


こんなわかりやすい店ある?というほどの差が出てきた


女性2人はそれぞれ可愛いし、よく見れば、なるほど~客は男だらけ


そのうち、アルバイトだか社員だか知らないが、その女性2人が店の切り盛りに慣れたからだろうか


茶髪ショートカットの女性、黒髪ロングの女性がそれぞれ、1人で店を任される日が増えてきた


そしてそのうち、こんなふうになった



お兄ちゃん ・・・開店休業


黒髪ロング ・・・大盛況


茶髪ショート・・・開店休業



客もそんな、露骨にせんでも・・・

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