第655話 カブトムシな件②

目覚ましには、iPhoneのアラーム機能にある「クラシック」カテゴリーの中の、まんまの名前「アラーム」という音を、設定して使用している


「爆発10秒前」みたいな音だ

映画なんかでもよく聞く効果音


普段設定しているのとは違う時間に、追加で目覚ましをセットした場合など、音量をいちばん低くしているつもりだったのに


俺がその調整を忘れたのだろう・・・最大音量で鳴る時がある


すさまじいアラーム音に、寝ぼけたままの俺は一瞬パニックに陥る


すぐに目覚ましだと気付くのだが、咄嗟に止め方が思い出せず、スマホのあちこちを弄(いじ)りたおして、ようやく止まる


時間的には10秒、というところだろうか

まさに爆発10秒前の起爆装置を止めようと必死になる"諜報員"と同じ、焦り方だ


さて、全話の続き。


夕方から孫息子が泊まりに来て、翌朝は、雨・風の状況次第でカブトムシ取りに行くかどうかを決めようね、と話していた


ちなみに当たり前の話だが、沖縄の日の出・日の入りは全国で1番遅い


この話当時の日の出は6時だ


カブトムシやクワガタは朝方勝負なので、4時に起きて4時半には出るからね、と孫息子に伝えておいた


で、アラームを4時にセットしたわけだが


はい、やってしまった

4時に爆音が鳴りだす


あっ!

隣の孫息子がびっくりして起きてしまう!


しかし焦れば焦るほど、止められない・・・


飛び起きてあたふたしている俺に「ジージ!ジージ!ジージ!」と


これまたびっくりして飛び起きた孫息子が


「かして!かして!」


渡すつもりは無かったのだが、パッと俺の手からスマホを取り上げた孫息子が


思いきり部屋の隅に投げてしまった


ごん!


何かにぶつかったスマホは、まだ爆音を鳴らし続ける


「ああっ?!ちょっと海くん!投げたらあかんやん!!」


慌てて暗闇に光るスマホに駆け寄り、なんとかアラームを止めた


電気を付ける


画面割れてない?!

オロオロしてスマホをチェックする俺に


「もう!びっくりするじゃん!バケツにお水いれといて、そこに沈めたらいいのに!」


花火じゃないんだけど・・・

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