第597話 すまん・・・
先日、普段使いのジムに立ち寄ると
かなり大勢の利用客が訪れていたため、もう一軒、別のジムに向かった
こちらはかなりボロく、一昔前の丹下段平ジム(あしたのジョーがいたボクシングジム)のようだ
機材も2代前くらいの年季が入る
受け付けを済ませて靴箱にスニーカーを入れ、備え付けのクロックスのような室内履きに履き替える
ロッカールームにむかう
せまい部屋だ、ロッカーは6つしかない
そして併設されたシャワー室は3つだ
ガラガラと引き戸を開けると、いきなり剥き出しのムチっとした白い尻がこちらに突き出されている
ちょうどシャワーから出てきたであろう、ビッチャビチャのムチッとした男が体を拭いていた
てかおい・・・
お前の足元ビッチャビチャやないか
バスマットも敷いてあるのに・・・
"あっやばっ!人が入ってきた!" てな感じで俺に振り向いたそいつの顔は、まるでネアンデルタール人のようだ
何だそのゴリラ顔と白いムチムチ肌。
おまけにそこらじゅうビッチャビチャにしやがって。
まあいい、そいつを背にして、渡された鍵で「D」のロッカーを開ける
うっわロッカー付近までビッチャビチャやないか・・・
床について濡れないよう、脱いだ服とクロックスをロッカーに突っ込んでいると
タオルを腰に巻き、履いてきたスニーカーを部屋の隅に揃え、まだ若干濡れた体のまま、奴が部屋を出て行った
ん?シャワー浴びたのに何処に行くんだ?
あ〜なんか一台、日焼けマシンがあったけど・・・
ならシャワー浴びる必要性無かったんじゃ?などと考えながら、室内の洗面台に向いてダンベル用のグローブをはめていると
ガラガラッと戸が開き、奴が戻ってきた
「スリッパ・・・」とか言いながら室内を見渡している
何だお前は。
さっきスニーカー揃えて裸足で出て行ったやないか。
あ?ちゅうことはお前・・・
土足でここまで上がって来てたってこと?
奴は、俺に変な奴と思われていることを自覚しているのか
再度控えめに部屋の床を見渡したあと、スーッと戸を閉めて出て行った
不気味な奴・・・
その後2時間ほどマシンで汗を流し、ロッカールームに戻ってくる
揃えたスニーカーがなくなっているから、奴は帰ったようだな
気持ち悪い奴だったぜ全く・・・
ロッカーを開け、パンツとタオルを出・・・あれ?
クロックス入ってる。
じゃあ俺の履いてるクロックスは?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます