第532話 USJ

大阪にいた頃は仕事の関係で


東京や地方から来られた若い皆さんをUSJに連れて行き


ガイドするとことが結構あった


案内役なので、アトラクションでは基本、ペアになることなく1人行動


たとえばスペースファンタジー・ザ・ライドという、クルクル回るコースターがあった(今はリニューアルされたのかな)


で、そのライド、俺が一人なものだから「ご一緒宜しいですか?」とスタッフに聞かれ


シングルライダーの列の、見知らぬ他人様と同乗することになる


そして何故かいつも小学生の男の子と一緒に乗るハメになる


このアトラクションは最後、太陽を救うために


「さあ、みんなの思いを一つにして、ボタン連打よ!」みたいなノリになるのだが


見知らぬ小学生と心1つにしてボタン連打するのもマヌケなので


いつも俺だけ取り残された様な終わりかたになる


スパイダーマンも然り


一人の俺の隣に座るのは、シングルライダーの小学生


スパイダーマンは


「エレクトロ」だったか・・・敵がスクープ号(乗り物)に高圧ケーブル刺してガタガタなった後の右上 (意味わからない人ごめんなさい)にカメラがあるのだが


それを当時はまだ知らない人が多く


隣に乗る子に「ぼく知ってるか?このあと上見とけよ、カメラあるから」と教え


その場が来ると、掛けている3Dメガネを外させて一緒にカメラ向いてピース


降車して写真を確認すると、我々だけバッチリ、カメラ目線で写っているわけだ


ある時、写真を確認しに行った小学生の男の子が


いつものことなので写真も見ずに去る俺の背に


「ありがとうおじちゃん!」と元気にお礼を言ってくれた


・・・とまあ、そこまでは良かったのだが


出口で待っていたらしい母親が


「ありがとうって何?誰に言ったの??知らない人と何を話してたの?!どの人!!」


犯罪者か俺は。

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