第531話 営業妨害

江頭2:50のことを「実はいい人なんだよねー」みたいな事を言うと「営業妨害しやがって!!」と本人が嫌がる


俺の出入りする客先に、Sさんという男性社員がいて


年は43、身長160

垂れ目で天パーで、プニプニ肌で

猫背で、おどおどしてて、声も小動物


いつもペンギンみたいにヒョコヒョコ、揺れながら歩いてくる


噂では実家暮し・独りっ子・独身


「社長おられますか?」


訪問すると大概、このSさんが対応に出てくる


「あのー社長はーいまー出掛けてーおりましてーいまー居りませんがー」


「あっそうでしたか、何時ごろお戻りで・・・」


「少々ーお待ちーくださぁぃぃ」


事務所に戻り確認後、出てくる


「戻りー時間はーはっきりとー書いてーいなくてー」


「あ、そうですか・・・明日は?」


「少々ーお待ちぃーくぅださぁぃぃぃ」


事務所に戻り、出てくる


「今ひとつーはっきりせずーわかりーかねますぅぅ」


「そうですか、分かりました。また御連絡いたします」


こんな感じだ、毎回。


ある時、訪問すると珍しく女性が出てこられたので


「あ、今日はS主任じゃないのですね」と聞くと


「Sは昨日から体調を崩しておりまして、お休み戴いております」とのこと。


「そうですか〜。あの、Sさんって可愛いですよね〜。あ、変な意味ではなくて笑」


「そう、そうなんですー!ペンギンみたいでしょ笑」


「あーそうそうペンギン笑・・・あの方、女性の皆様にも人気ありそうですね」


「そうなんですよ〜Sさんお昼も私たち(女性陣)と一緒に食べるんですよ、男性陣とじゃなくて」


「えっ、そうなんだ?でもなんか判る気がしますよ」


「女性の中にいても全然、違和感が無いんですよ〜あの人笑」



ふーんそうなんだ

誰一人、気付いてないのかな?

いや、うまく隠してるんだろうな本人が。


知り合いの経営する久茂地(那覇市)のキャバクラに彼、入り浸ってるんだけど


背筋ピーン!反り返って

大股で

すっごい命令口調で

横柄で

金払い悪くて


超〜評判悪いんだよ



「おいお前ら!そんな勝手に飲むなバカ!」

「俺これだけ通ってんのに!愛想悪過ぎ!」

「時間?判ってるよ邪魔だあっち行け!」

「だいたい何でこんな、隅の席なんだよ!」


俺が居るとも気付かず、吠えまくってた日もあったなぁ


「営業妨害」になるから絶対、言わないけどね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る