第464話 今日のコント?

「ちょっと待ってて。トイレ行ってくるわ。すまん」


「とんでもないですー」


とんでもないか?


「財布出すわ、鞄持っといて。・・・ん、ありがとう」


「とんでもないですー」


とんでもないかなぁ?


「電話中やねん後にしてくれる?悪いけど」


「とんでもないですー」


とんでもないことを、させましたか?


「なあ谷やん(ウチの脳筋社員KING)、やっぱりお前の『とんでもないです』は引っ掛かるわ」


「えっ、どうしてですか?」


「だって『とんでもないです』って言わせるようなことを、俺は言ってないで?」


「そうすか?」


「不意に俺がイレギュラーなことを頼んだのなら分かるけど、それほどでもなくない?」


「丁寧に言ってるつもりなんスけど?」


「うん、だからよ。大袈裟なんよ。普通に『はい』でええんちゃうん?」


「ん~なんか・・・」


「なんか・・・なに?」


「言っていいスか。もうなんか、オカンみたいっスわ」


「は?口うるさいってこと?」


「もう、とんでもなく。あ~自由にやりたい」


「その使い方は合ってる。・・・いや別にええんやで?俺が気になるってだけで」


「じゃあこれからは『とんでもー』って言いますわ」


「『どんだけー』みたいに言うな。『はい』とか『わかりました』でいいんだよ」


「承知」


「硬いな!」


「りょ」


「ゆるいわ!おまえ舐めとるやろ!」


「とんでもございませ~ん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る