第459話 俺の見解
ウチのU部長と協業の営業マンが、打合せテーブルで商談をしている
2人とも少々手詰まり感があり、黙って手元の資料に目を落とす時間が長くなってきた
内容はだいたい耳に届いていたから、席を立ち、打合せテーブルに向かう
2人の前に立ち「俺の見解を述べていいか?」と話しかける
顔を上げた2人が「あっ是非お願いします」というので
「俺が思うには、一旦話のスタート地点を変えて・・・」と、思うところを述べる
数日後。
昼過ぎに事務所に顔を出すと、20代の若手3人組が、打合せテーブルで何やら資料と睨めっこしている
そして3人のそばに、腕組みをした谷やん(34・脳筋社員1号)が立っている
何をしとるのだ偉そうに・・・
暫しの沈黙のあと、谷やんが口を開く
「俺の見解を、述べていいか?」
「えっ?」3人は顔を上げ、谷やんに注目する
「なに?そんなジッと見んでもええやろ」照れる谷やん
お前が見解を述べていいかって聞いたんだろうが・・・たぶん俺の真似をして。
谷「いや、だから、お前らのスタートラインが違うねん」
高良(23)「えっ?これU部長の案ですけど・・・部長が間違ってるってことですか?」
谷「えっ?んっ?部長の?・・・ああ~スタートっていうか、お前らの、見解が、おかしいというか」
国仲(23)「僕らまだその見解が出ないから悩んでるのですが笑」
谷「ああ、うん。でもな、お前らはな、見解を述べなアカンと思う。」
森(23)「でも谷さん『俺の見解を述べていいか?』って言いませんでした?」
谷「言ったらお前らのために、ならんと思う」
高・国・森「はぁぁ??」
全くお前は、内容も把握せず、邪魔するためだけに立っていたのか?
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