第422話 金城くんに足りないもの

金城くん(28才)は大学院卒のウチの頭脳派だが、対女性となるとオクテだ


それでも大場くん(34)の主催する合コン(結婚前は谷やんが主催していた)には皆勤賞で、日々勉強中だ


俺「お前の場合は別に面白い話なんかしなくても知的な話すりゃええのよ」


金城「例えばどんなのですか」


「ん~アメリカンジョークみたいな。有名な話だと『論理学』とか」


「どんな話ですか?」



A「論理学って結局、どういうもの?」


B「知りたい?じゃあ君は芝刈り機持ってる?」


A「持ってるよ」


B「じゃあ庭は相当広いね」


A「広いよ」


B「じゃあ当然、一戸建てだね?」


A「一戸建てだよ」


B「なら家族もいるよね?」


A「妻と、子供が2人いるよ」


B「ということは君は、ホモじゃないな?」


A「勿論ホモじゃないよ」


B「・・・これが論理学だよ」


A「なるほど」


後日


A「君は芝刈り機、持ってる?」


C「持ってないよ」


A「じゃあ君はホモだな!」



俺「・・・ってやつよ」


金「あ~・・・でもそのオチは今の時代にそぐわないですね、この多様"性"の時代に」


「そやなぁ。だからほら、落語も現代落語ってのがあるじゃん。金ちゃんなりにアレンジしたら?」


しばらく考えていた金城くんだったが


「こんなのどうでしょう・・・」



A「BBQセット持ってます?」


B「あ、持ってますよ」


A「じゃあキャンプとか行かれます?」


B「行きます行きます」


A「車はミニバン?」


B「そうですよ」


A「なら御家族も多い?」


B「妻と、子供が3人です」


A「食費かかりますねぇ」


B「妻が大変ですよ」


A「たまには手伝いませんと」


A&B「旦那失格ですな、はっはっは」



ただの世間話やないか。

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