第421話 おい。

前々話、漁協で共同使用する倉庫で盗難が多発し・・・という話を載せた


谷やんが「ドーベルマンを子犬から育てて配置」


宮里くんが「有刺鉄線電流爆破させる」


そんなことを真面目に会合で提案したため大恥をかいた


その後結局、ウチは独自に100坪の倉庫を借りることにした


その契約を谷やんに任せていたのだが、先日


事務所に貸主が来て、谷やんと細かい約款を確認しているようだった


双方の確認が済んだので契約書類等々に印鑑を押してください、と谷やんが持ってくる


貸主はこのまま書類を持ち帰りたいらしく、応接で待たせているとのこと


以前に一度、目は通していたので、細かく確認はせず押印していく


その中に1枚、委任状があって


前に確認した時には「○○○ は ○○○ のため ○○○ を代理人として云々かんぬん・・・」


○の部分がブランクになっていたのだが、今は


「代表者T は 多忙 のため 谷 を代理人として・・・」と記入されている


別にそんな忙しくないけどな・・・

それほど気にも留めず押印し、書類を谷やんに渡す


後日、契約書類の控えが郵送されてきて、それを事務のR嬢が確認している


彼女が苦笑いで俺のところにやってきた


「どっちもどっちですけどね・・・」


そう言いながら渡されたのは、あの委任状


「ん?これが何か?」


「よく読んでください」


なにさ?

委任状に目を通してみる


「代表者T は 多忘 のため 谷 を代理人として・・・」

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