第351話 能力者

宮里くん(脳筋社員2号)が金城くん(頭脳派社員)に


「どうしても胸の内に留めておけないことがあって。聞いてくれないかな」


真顔で言ってきたという


何事かと金城くんが話を聞いてみると


「実は俺があくびをしている間、時間が止まってる気がする。いや、多分止まってる」


そう、声を潜めて告白してきた


「それ、誰かにバレると、国の機関がお前を連れにくるかも知れないから。誰彼むやみに言わないほうがいいぞ」


宮里くんにアドバイスしてやる


「わかった・・・」


真顔で頷く宮里くんを見て必死に笑いを堪えた金城くんだったが


誰彼に言うなとアドバイスしておきながら、居酒屋で我々に爆笑しながら聞かせてくれた


その数日後。


事務所で大あくびをしている宮里くんに気付いたU部長がここぞと駆け寄り


「ぺち」


宮里くんの頬っぺたを軽く叩いた


俺はそれを、なんとなく見ていたが


叩かれて唖然とした宮里くんが二言三言、ボソッと何かをU部長に言った


その後U部長が俺のところにやってきて


「アイツ、信じられないこと言いました」苦笑いする


「何、どうしたん?」



U部長があくびをする宮里くんの頬っぺたを叩いたあと


「ほら、時間、止まってないぞ?」と笑うと


「・・・部長も能力者?!」と言われたらしい

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