第336話 オファー
仕事の合間にフラッと立ち寄るスタバがあって
今ではすっかり、俺のネタバ(ネタ場)になっている
聞き耳を立てるのが職業病みたいになってしまったスタバの午後・・・
俺の隣に20代の男女が座っている
たまに見かける顔だ
女の子はまあ、普通の子
男の子は、白くてひょろっと頼りなさげな子だ
もしかすると島ハーフ※かもしれない
女「エガちゃんでもNGかも知れないような頼み、聞いてくれたりする?」
男「なにそれ聞くだけ聞く」
「あっそーゆーのはダメ、やってくれるなら話す」
「じゃあやらない」
「なんでよ!」
「べつに俺、お前の彼氏でも何でもないし」
「だからこそオファーするのよ」
「何をだよ?」
「聞いてくれる?」
「んっ?ん~」
「あのね・・・」
ここまで聞いて、あとは2人がヒソヒソ話になってしまったので肝心のところが分からないのだが
俺の見る限り結局、惚れた弱みで彼は引き受けるだろう
・・・たとえエガちゃんがNGな内容でも。
俺がトイレに立とうとすると同時に彼も立ち上がり、トイレに向かう
時間差で、俺もトイレに向かう
後ろから俺が付いてきてるのを知らないのか
死角だから誰にも見られていないと思ったのか
ヒョロいその彼が、おもむろにトイレの扉の前で似合わないシャドーボクシングを始めた
何を頼まれ(引受け?)たのだろうか・・・
※日本語しか話せない、白人と沖縄日本人とのハーフ
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