第334話 勘違い×勘違い

今時の人たちって


イヤホンで歌聴きながら・スマホ見ながら・平気で夜道を歩いているのでヒヤヒヤする


簡単に引ったくりに遭うし、女性なら痴漢にも目を付けられるだろうに。


ある晩、居酒屋からの帰りに国道を歩いていると


背後に気配を感じてチラッと振り向くと、30代?の女性が付いてくる


付かず離れず5分ほど付いてこられたので、ちょっと不気味に感じたが


どうやらこちらをボディガードにでも見立てていたようだ


逆に怪しく見られなくてホッとした


ところがウチの営業マン・イシくんは、ある夏の夜の22時頃


Tシャツ短パン姿で黄色のバックパックを背負い


歌を聴きながら、人気(ひとけ)の無い暗い歩道を歩いていたところ


背後からトントン、と肩を叩かれ、心臓が飛び出るほどビックリして「わあっ!!」と叫んだら


真後ろでも若い女性が「きゃあ〜っ!!」と叫ぶ


その女性に落ち着いて話を聞くと、どうやら


"こんな時間に塾帰りの子供が、1人で暗がりを歩いてるなんて危ない"


そう思って声を掛けようとしてくれたらしい(37歳イシくんの身長は153cm)


「でも、よく怖くなかったですねぇ?もし僕がマジムン(悪霊)だったら・・・」


悪戯っぽく笑いながら言うと、突然女性はサッと顔色を変え


「ウスクミランサラー!クヮンマガヌクサカイガル!チョーイビンドー!ナガムノースバンカイ!ドゥキナイソーリ!ホージホー!ホージホー!ホージホー!!」


そう叫びながら走り去って行ったそうだ


「それ、ハブ除けのまじないなんですけどね・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る