第327話 違います・・・

普段は釣り船やマリンスポーツを専門に仕事をしているが


広く言えば、宿泊場所の提供や食事の段取り、二次会のセッティング


更には風俗の手配まで相談されたりする


なので必然的にその方面にも知り合いが多い


夕方4時過ぎだったか、とある“そちらの”店に赴き、店長と雑談していた


ちょうど隣室では、新人の女の子が従業員の面接を受けているらしい


「あ、Tさんちょっと待ってて」


話の途中に電話の掛かってきた店長が席を立って出て行く


狭い店長室だ


ホワイトボードには女の子のシフトが縦にズラ〜っと載っている


もちろん源氏名だから、誰が誰だか俺には知る由もない


部屋でボーッと座ってコーヒーを飲んでいると、隣室で「ありがとうございました」と聞こえる


程なくコンコン、と扉がノックされ、俺のいる店長室が開く


そこに私服姿の、20代の女性が入ってきた


「有難うございました、これから宜しくお願いします」


突然、女性にそう言われたので「あっ、いや店長は」と言い掛けたのだが


「でも正直わたし、脱ぐのあまり好きじゃないんです。痩せてるし、薬やってるの?とか言われるし・・・どうしました?わたしの話、何かおかしいですか?」


あ、いや、そうではなく・・・

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