第302話 居酒屋にて

大阪出張に付いてきた谷やん(脳筋社員1号)と、ホテル近くの居酒屋に行った


24時間営業の大衆居酒屋だ


俺がそれほど喰わないのを知っている谷やんは「なに飲みます?」とだけ俺に聞き、あとは自分の好みで7品ほど注文している


ものの5分もせずに、一気に料理が運ばれてきた


「美少年(日本酒)の方?」谷やんが手を上げる


次に「枝豆です〜」と出されても何の反応も無かった谷やんだが


自分好みの料理は自分寄りに置いて欲しいようだ


「とろとろ角煮です」と店員が言うと谷やんが「あっそれ俺」的に手を上げたので


それからは店員も、誰側に置くかを確認してきた


「よくばり(スタミナ焼き)はどちらで?」谷やんが手を上げる


「妖精さん(きのこパスタ)は?」谷やんが手を上げる


なるほど・・・


つまり谷やんは、美少年でよくばりな妖精さんか。


よくばりだけは合ってるな・・・ニヤニヤしていると


「見てくださいよ、これ」と谷やんが目の前を指差し


「よくばりな美少年の妖精ですよ俺!」と笑うので


「あ、俺も今、同じことを」と言いかけると


「よくばりは違うけどなぁ・・・」と首をひねっていた

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