第161話 それを託された意味

天神橋筋商店街(大阪)で一銭焼(溶いた小麦粉をうす~く拡げて、ほぼキャベツだけ乗せて焼いたもの)


を買おうと店先で立っていたら


3歳くらいの男の子が真横に来て、俺にグーを突き出してきた


「ん?どうしたの?」体を屈めてみる


口をへの字にした男の子がグーを突き出したままなので


何か受け取れという意味かな?と思い、パーを出してみた


すると男の子は俺の手のひらにクシャッとした透明のものを落とし、走り去った


何これ?


ずーっと握っていたのか温か~いそれを、摘んで広げてみる


ちょっと、これ・・・お菓子のパッケージ剥いたあとのゴミやないか


よくアーモンドチョコなどの箱で見かける、シュリンク包装(熱収縮性プラスチックフィルムを加熱して商品の形状に収縮させる包装方法)のフィルムだ


なんで俺にこれを渡したのか


俺がゴミ箱に見えたのか


母親に「そのゴミ、おじさんに渡してきなさい」とでも言われたのか


鉄板で焼いているお兄ちゃんに「今の子お知り合いですか?」と聞かれたので


「知らん・・・ゴミ渡された・・・」手のひらを見せると


えっ?という顔のあと大爆笑された

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