第162話 二朗
那覇空港の一階ロビーで
マスクをした、角刈りの佐藤二朗みたいなオッサンが座っている
年の頃は・・・俺より若干、若いのかな?
俺は二朗から数メートル離れた所に立ち、到着便を待っている
程なく、とても切ないオルゴール調の着メロが聞こえてきて二朗が電話に出る
あの曲何だったかな〜、あれよあれ・・・
あ、魔女の宅急便の「めぐる季節」だ
また似つかわしく無い選曲だな・・・
横目で見ていると
左手で持ったスマホに話す声がマスクでこもるのか、右手で口元を覆いながら話している
それでも伝わりにくかったのだろう、二朗はマスクを外した
ますます二朗やないか
「聞こえてる・・・うん・・・うん・・・好き好きィ、うーたん」
自分がうーたんなのか相手がうーたんなのか判らんが、面白いことが起こりそうな予感
更に聞き耳を立ててみる
「うん。すぐ。・・・わかってる。大好きィ、うーたん」
あ〜相手が「うーたん」なのか?
「またすぐ。うん、夜。掛けるね。じゃあね。好きィ」
"ますます二朗"は電話を切るとスッと立ち上がり、到着口の自動扉の前に向かう
時折、左手の腕時計を見ながら腕組をして待っている
ちなみに俺も、おそらく二朗と同じ到着便を待っている
数分後、左手奥からゾロゾロと乗客が現れた
大半は手荷物受取りコンベア前で待っているが
軽装の数人が、そのまま自動扉から出てくる
そのうちの1人、ケバいオネーチャンが「う〜たぁ〜〜ん!」と叫び
すかさず二朗が「ま・い・ちゃ〜ん!」と駆け寄り、熱くハグ
2人は仲良く手を繋いで空港を出て行った
うーたんはお前やったんか。
だったら好き好き言ってた電話の相手は、まいちゃんじゃないしなぁ
やるな、二朗・・・
さて問題です。
いろんな二朗が出てきましたね。
全て上げてください。
①佐藤二朗
②ますます二朗
③おそらく二朗
④すかさず二朗
⑤やるな、二朗
あ〜惜しい!
⑥うーたん
でした!
また来週!!
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