第96話 脳筋社員1号
ウチのBEST OF AHO・谷やん(34)
昨年12月、一緒に大阪を回っていたある晩、すき焼きの店に入ったのだが
思いのほか混雑していて、店員に「あっ、すぐここ(座敷の半個室)片付けますんで!」と言われ
バッシング(皿などを下げる)途中のその部屋に、靴を脱いで上がったのだが
カーペットの床に手を置いていた谷やんが真顔で「まだ暖かいな・・・遠くまで行ってないスね」とキメ顔をする
「いやお前、これホットカーペットやで?」
えっ?という顔を向けた谷やんを見て大爆笑したのだが、そもそも
遠くまで行ってなかったら前客を追いかけるのか、お前は。
この様に谷やんは、刑事ドラマなどで使われるフレーズがクールだと思っている節がある
入った頃の森くん(23)が谷やん操縦の船に乗っていて、転倒して肘を打ったので
丘に戻ってから念のため外科に連れて行かせ、付き添っていた谷やんに骨折してなかったかと聞くと
「いまのところ、命に別状はないようです」と言ったり。
肘打っただけで死ぬような貧弱者は困るねぇ。
仕事上のミスを叱る時も、こちらは聞いてもないのに
「俺が一人でやりました・・・」と言ったり(必ずといって良いほど決めゼリフ的に言う)。
お前の背後には庇いたい共犯女性でもいるのか。
客先の所属や連絡先がわからず、独り言で「あの人どこやったかなぁ・・・」と呟いていると
「もう一度交友関係、洗ってみましょうか」と言ったり(真顔よ?)。
別に捜査が行き詰まった訳じゃないから。
谷やんがまだタバコを吸ってた頃、同じく喫煙者だった坂下くんと、港での作業が終わり
夕日を眺めながらタバコに火を付け、2、3服した谷やんが
おもむろに、タバコが欲しいとも何とも言ってない坂下くんに「ほらよ」と渡し
"は?"と思いながらも坂下くんは「あっ、どうも」と吸いかけのタバコを受け取り、吸ったはいいが
吸い口がめちゃくちゃ湿っていて臭かった、という話を、飲みの席で披露していた
何に憧れているのやら、いまいち意味不明な谷やん
U部長「ということは谷、おまえ行きつけの小料理屋の女将に捜査状況を全部話してしまう刑事みたいなこと、やってんじゃないの?」
坂下「あ。◯◯◯(ガールズバー)の麗子ちゃん、ウチの内部情報にめちゃくちゃ詳しいですよ」
U「麗子ちゃんって谷のお気に入りだろ?やっぱりお前、喋ってんのか笑」
谷「な、坂下!それお前の憶測やろ?証拠あんのか証拠?」
まるで動揺した容疑者だ
ちなみにその後、延長でそのガールズバーに移動し
そんなに刑事ドラマが好きならいっそのことお前の着メロ、これにしたら?と
U部長がカラオケで
「さぁ〜♪ねむりなさい〜♪つかれきった〜♪からだを〜なげだし〜て〜♪」と歌ったのだが
曲はわかるが名前を知らないという谷やんに『ま』から始まる歌だとU部長がヒントを出すと
「継母たちのララバイ」と答えたそうだ
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