第44話 先輩と後輩

俺がまだ、大阪天満宮の辺りで仕事をしていた頃に、実際に遭遇した2人


ある夕方、天神橋筋商店街の交差点で信号待ちをしていると


隣に立つ営業マンらしき二人組が話している


・・・というか先輩が後輩に、一方的に説教している


なんか、おまえ、違うねんなあ

なんていうんかなあ

ハイハイ言うとるけどな

な~んも話、聞いとらんていうか

さっきも「聞いてます?」って突っ込まれてたやん?

あれ、聞いてた?

・・・いや、またハイハイ頷いとるけどお前

ホンマに聞いてた?

ほんならなんて言われたか言うてみいや?

・・・ほら憶えてへんやん言われへんやん

なんですぐ答えられんの?なあ、なんで?

いっつもなに考えとん?なあ?

・・・なあオイ!!


昂ぶってきた先輩に、言われっぱなしの後輩が初めて口を開いたかと思うと


「バ~カ!!」


そう言い捨てカバンも投げ捨て、手ぶらで去って行った

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