第40話 その情熱を仕事に向けてくれ

普段は互いに、あまり仲の良くない谷やんと宮里くん(脳筋1号と2号)


まあどちらかといえば谷やん(34)が、自分の立ち位置を脅かす若手として宮里(25)を意識しているだけだ


つい先ほど、事務所に戻ってきた宮里が


買ったのか貰ってきたのか、お菓子の沢山入った袋を打合せテーブルにぶちまけた


そこに谷やんが近づく


「どうしたんこれ?もらってええの?」


すると宮里はそのうちの一袋を無言で開けると、中の個包装を一つ破る


俺は考え事をしながら遠目にそれを見ていた


「か・・・かみかみ・・・こ、こん・・・ぶぅ・・・♡」


宮里が色っぽい口調でそれを食べだした


それをじーっと見ていた谷やんが、自分も別の、縦長の袋を掴んで開封する


中から細い紐のようなものを取り出すと


「かみ・・・かみ・・・すっ、する・・・めっぇぇ・・・♡」


これまた色っぽく喘ぎながら食べだした


「かみぃ・・・かみぃぃぃ・・・こん・・・うっ!・・・ぶぅぅぅぅ・・・・♡」


「かみっ・・・あぅぅ・・かっみっ・・・ひっぃぃぃ・・・するぅぅぅぅっ、めぇぇぇぇ・・・・♡」


あとで商品名を確認すると


「かみかみこんぶ」と「かみかみするめ」を


"互いに言葉噛みながら喘ぎつつ食べる勝負"をしていたようだ


マジで2人アホになってしまったのかと、少々焦った。

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