第38話 時間ください
事務所の入る階の共用給湯室に自販機がある
喉乾いたけど100円玉が無いな・・・
仕方ない、デスクの引き出しから10円玉を11枚拾い、事務所を出て自販機に向かう
自販機のラインナップのオレンジティー110円を買うことにする
と、同じフロアの税理士事務所の女性がトイレから出てきたので
ちょっと硬貨投入の手を止める(貧乏くさいので)
ところがその女性、事務所に戻らず俺の背後を通って給湯室に入ってきた
仕方ない・・・
まだ3枚しか入れてなかった10円玉投入を再開する
カチャン、カラカラカラカッチャン
一回一回、音が響く
もうええわ
別に恥ずかしくもないわ
7枚、8枚、9枚・・・カラカラカラカラ鳴らしながら連続投入していく
10枚目。
カラカラカラカラカラ・・・カラン。
あっ?
戻ってきたぞおい〜
返却口から硬貨を取り出す
あぁ〜これ若干薄いやつや・・・
再度投入してみる
カラカラカラカラカラ・・・カラン。
あかん完全に受け付けんやつや
まじか〜ここまできて。
仕方ない、100円で買えるドリンクがないかディスプレイを見る
「アルプスの水100円」
いやそれ違うわ
俺は甘さを欲しとるのよ
せやけど・・・
ここまできて事務所に戻るのも癪(しゃく)やな
水か・・・
いや水なんかいつでも飲めるやないか
俺は甘いやつが飲みたいのや
くっそ〜9枚まで入れとるのに
最後の1枚入れてアルプスにすんのか。
止めて事務所にあと10円取りにいくのか。
アルプスにすんのか。
取りにいくのか。
アルプスにカチャンカチャンカチャンカチャンカチャンカチャンカチャンカチャンカチャン
タイムアウト硬貨オール返却!!٩( ᐛ )و
「いや早ない判断?!」
「早いですよ〜それ」
そう言い残して女性が出て行った
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