第24話 使用期限

宮里(脳筋社員2号)をお供に出向いていた大阪・神戸への出張が終わり、7日振りに沖縄に戻ってきた


翌日の仕事の指示が残っていたので、タクシーで直接、宮里の家へと向かう


2DKのアパートに住んでいる宮里の部屋は、小綺麗に整理されている


「お前は谷やん(脳筋1号)と違い意外とマメなんだよな。あいつの部屋は常に汚ねーけど」


「そうですか?有難うございます。・・・あ、やっぱりありましたUFO。食べます?」


「お、すまん小腹が減ってなぁ」


俺が資料に助言の書込みをしている間に、宮里が湯切りまで済ませて持ってきてくれた


「あ、箸ですよね。あったかな・・・」


そこらの引き出しをゴソゴソしていた宮里が


「あった!」袋に入った長めの箸を持ってきた


「お前これ祝い箸やないか」


紅白の箸入れに金文字で「寿」と印字されている


「あっ・・・ホントですね・・・」


「結婚式で貰ったやつ?」


「前に実家の引き出しにあった割り箸、ごそっと貰ってきたんですけど・・・1番最近はイチュク(いとこ)のアングァー(お姉さん)の時のかなぁ」


「お前も出たの?」


「もう随分前なので・・・俺8歳だったかなぁ・・・」


「まてまて。お前いま25だよな?」


「はい」


「なにこれ17年前の箸?」


箸にも使用期限ってあるのだろうか、消火器みたいに(使ったけど)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る