神喰らいのシュプレヒコール
あかむらコンサイ
曰く、其れは前哨戦
前哨戦・語り部の一頁
ヤァ、どうも。
薮やら棒に失礼する。なにぶん時間がないから、手短に済ますとしよう。
––––––とは言ったものの、どこから話せばいいのやら……これから出てくる人物の中には200年以上前から存在している者もいるし、ついこの間壇上に上がってきた者もいる。
数年後ようやく見えてくるような者もいるし–––––––––遡れば1000年、ともすればそれ以上前から、この
……話が逸れたね。
まぁなんにせよ、ひとまず話すべきは彼らからか。それさえ抑えてもらえれば前哨戦の顛末を追うのに問題はない。
私たちから見ての外つ国––––––遙か東方に、ある『画家』がいる。
彼女は何の因果か………些細な親子喧嘩でもしたのか…?生まれ故郷から遠く離れた村で、独り趣味に興じているらしい。彼女は目を逸らしているようだけれど、何らかの運命の囚人であることには変わりないようだ。
またもや外つ国だ––––––でもこっちは先ほどよりかは幾らか近しい。それでも何ヶ月かかけて旅を済ますような場所であることには変わらないが。ここにはある『僧侶』がいる。まぁ厳密な彼女の運命は異なれど、ここではひとまずそう呼ぶとしよう。
彼女の運命はひどく複雑に絡み合っていて––––––でも、どうやらその先を導く光は絶えていないようだ。よほど頑強な精神を持っていると見える。血筋からくるものか私怨から来るものか––––––それははてさて、彼女も運命に囚われていることに相違ない。
外つ国、といえば外つ国––––––ただあそこはほとんど私たちの地域に隣接している。北方の紛争地帯ノルディア。旧ユーパラミア連合国の内政が瓦解したのが400年以上前………そしてその後内部分裂した諸国が内紛––––––『ノルディアの冬』を起こしたのが200年ほど前。そこにある『傭兵』がいる。うん、いる……にはいるが、どうやら彼女、私が思っていたような人間ではないようで…………。まぁなんにせよ、今現在過酷な紛争地帯にいるわけで、その運命の歯車も幾らか狂ってしまったのかもしれないな、うん。
我々の地域––––––その南方。大陸の端から連なる山脈を超えたその先の広大な砂漠地帯。その中心に聳える白亜の聖城と、それを擁する不可侵の聖都……。そこにある『巫女』がいるらしい。らしいというのは何とも曖昧な情報で済まないが、私自身あまり干渉できる場所に彼女がいないのでね……ただの伝聞調でも結構、そこに彼女の痕跡は確実にある。……とさせてくれ。少なくとも立地が立地だ、私がかろうじてにも干渉できる対象で、聖都なんかにいる時点で––––––彼女の運命もまた容易いものではないだろう。
白亜の聖都、その東方。忘れ去られた山あいの集落に潜むようにして––––––かつての聖都の守り人、「砂塵の民」が住んでいる。私の言うある『盗賊』はそこの出身さ。先祖代々継承してきた聖域を教会に奪われ……これまで表舞台に上がってこなかった「砂塵の民」の末裔として。運命に翻弄されているようだがはてさて……。
––––––よし、ここまでがもうすでに確定しているメンバーたちだけどね。この私がついこの間見つけたすっごく
大陸の中枢、我々の地域––––––連盟を組んだ数々の王国が隣接する、中央大陸の一大地域イルザーラント。その中でも随一の国力を誇る名実共に覇権国家たる世界趨勢の雄––––––神聖王国キャメロット。
––––––この下僕はそこの王の落胤さ。
まぁ、近年急速に国力を増している事実ち、教団とズブズブとの裏の噂……何が起きたかは定かではないけれど、何かが起きたということは想像に難くないね。
いずれにせよ、だ。彼は一度死んだ。いや死なざるを得なかった、のかな。まさしく運命の囚人だとも。
そしてそこで拾い上げたのがこの私……運命を壊したのは彼自身だけれど、その舵を切ったのは彼…………運命に叛逆してみせる、意地の悪い『汚泥』のような精神の下僕さ。
ご紹介させてもらった彼ら彼女ら––––––『画家』『僧侶』『傭兵』『巫女』『盗賊』『汚泥』そしてこの私、『真祖』。
この面々の前哨戦の記録を確認してもらえれば問題ない。
なぁに、順番は問わないさ。結果として私が覚醒める。それがゴールなんだから。
–––––––––何の前哨戦かって?
そりゃあ勿論君、決まってるじゃないか。
このクソッタレな
–––––––––<><><>–––––––––
というわけで書き始めさせていただきました!!
上述する彼女の言う通り、「前哨戦」に関してはどこから誰の話を読んでも問題ないです!
もし面白い・続きが気になる!と思った方はぜひぜひ、
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とんっっっっっでもなく励みになります!!
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