第6話 嫉妬
≪大雅side≫
突然泣き出した結衣に俺は驚いた。
こいつは本当突然泣き出したり…笑ったり…わからねぇやつ。
そんな事を考えていた。
それからもまたしばらくあちこち見回ると俺はすぐに帰宅した。
そして、それから数日が経ったある日。
大「ゆーい!今日の弁当も美味かった!サンキュ!」
結「大雅兄…じゃなくて大雅先輩!そーゆー事は学校ではあまり……」
なんで?兄妹なのには変わらないのに。
結「それにさっき秀先生も似たような事を……2人ともモテると言うのをもっと自覚してください!!」
結衣は頬を膨らませて怒っていたがそれですらなんか可愛いらしく感じてしまう俺はどこかおかしいのだろうか。
俺がポンと結衣の頭に手を乗せて
「よしよし。ごめんな。」
と言ってみると結衣はもっと顔を真っ赤にして怒った。
本当可愛いな。
こいつの事をこんなに可愛いと思ったのはいつからだろうか。
そして放課後、俺は結衣と一緒に帰ろうと思って教室へと向かった。
が、荷物はあるけどあいつの姿が見えない。
なーんだ。トイレか。
んじゃ、結衣の席にでも座って待ってるか。
大「………。」
遅い。
しばらく待ってるけどなかなか戻ってこない結衣。
腹でも下してんのか?
なんだ。近くにバイク停めてきたから一緒に帰ろうと思ったのに……
腹下してるならさすがに待たねぇ方がいいかー。
女子は恥ずかしいだろうし。
先に帰るか……
俺が席を立ち始めた時。
「ねぇ。流石にちょっとやり過ぎなんじゃない?」
「いいのよ。あのこが悪いんだから。男をたぶらかして…あのこみたいなブスが大雅様の妹ぶってるだなんて許せない。」
廊下の奥からボソボソと喋ってる女の声が聞こえた。
俺はカチンときてそいつらの胸ぐらを掴んでいた。
「た、大雅様……」
大「てめぇら、今の話はどーゆー事だよ。もちろん俺にも説明してくれるんだよな?」
「えっ…な、なんのことでしょう…」
大「しらばっくれてんじゃねぇよ!!」
俺は胸ぐらを掴んで軽く上へと持ち上げた。
「あのこが悪いんだから。大雅様だってあのこにつきまとわれて迷惑…」
大「するわけねぇだろ。クソが!!あいつは俺の妹だ。…あいつが戻ってこねぇのはてめぇらのせいか?」
「い、いや……」
明らかに怯えて涙目になってるその女たち。
大「早く結衣の居場所を言えっつってんだろーが。じゃねーと………シャーペンで目ん玉ほじくり出してやろうか。」
俺は咄嗟に持っていたシャーペンをその女の目元まで持っていった。
胸ぐらを掴まれたやつは声も出せない様子で慌てた一緒にいた女が口を出した。
「旧校舎の……。でも、もう……」
んだよ。ここからめちゃくちゃ遠いじゃねーかよ。
俺は慌てて走り出した。
あの女たち俺のこと大雅様なんて言ってたけど俺アイツらの顔はじめて見たんだけど。
とりあえずはやく結衣の元に行かなければ。
≪結衣side≫
「鈴木さん。少しいいかしら。」
放課後そう私に声をかけてきたのはクラスでも比較的目立つ存在の西条(さいじょう)さんだ。
そんな人が私になんの用だろう。
そう思いながらも私は西条さんの後をついて旧校舎と思われるところへ連れてこられた。
そして旧校舎の教室へと入るとそこには普段西条さんと一緒にいる#立花__たちばな__#さんと#高橋__たかはし__#さんが待っていた。
私は何か嫌な予感がして後戻りしようとしたけど遅かった。
立「逃げんじゃねぇよ。ブス」
そう言って私を乱暴に突き飛ばす立花さん。
結「ど、どうして。」
高「どうして、じゃねぇよ。」
そう言って高橋さんは倒れた私の胸ぐらを掴み再び思い切り床へと叩きつけた。
すると西条さんは
西「あんたが目障りなの。こんな事二度とされたくないのならさっさと矢神家から出て行く事ね。大雅様だってあなたの事目障りだったって言ってたわよ。
と倒れた私を見てそう言った。
大雅兄が私のこと目障り……
結「大雅兄はそんな事言う人じゃない!!」
私がそう言い返すと西条さんは私の頭を思い切り蹴りはじめた。
そして一言、
「怖い目にでも遭わなきゃ分からないみたいね。」
と言った。
すると突如目の前に見知らぬ男が3人来たのだった……。
「こんにちはー結衣ちゃん。」
その男たちはニヤニヤしている。
前に見た光景と似ている。
私は一瞬で怖くなり逃げようとした。
だが。
……足が捻って動けない。
そんな私をみて笑いながらその場を立ち去っていく西条さんたち。
結「待って………」
「待って…かぁ。可愛い声じゃん♪まずそのメガネ外そうか。」
そう言って2人が私を抑え、1人がメガネを外した。
「ウゲーめちゃくちゃ可愛い。こんな子をヤレるなんて俺ついてる。」
「俺らにもやらせろよ。」
「俺が先だって。」
そんな事を話しながらその人たちは私の制服を脱がしはじめた。
結「嫌っ!!やめて!!」
「抵抗しても無駄だよ。男の俺らに敵うわけないし、こんなところには誰もこない。気持ちよーくさせてあげるからね。」
そう言いながら私はどんどんと制服を破り脱がされていく。
……やだ。こわい。助けて。
「下着は水色かぁ。可愛い。」
そう言って男は私のおへそのあたりをペロンと舐めた。
結「ひゃあっ」
…気持ち悪い。
「ひゃあ。かぁ。可愛いねぇ。」
そう言って私の下着の上から撫で回すように触ってくる男たち。
「さーて。そろそろ頂こうかな。結衣ちゃん。ちょっとこのお薬飲もうね。すーぐ気持ちよくなれるから。」
男たちは目の前に怪しい錠剤をチラつかせた。
結「やだ。やめてっ…」
怖い。誰か。
「大丈夫。俺が口移しで飲ませてあげるから。このお薬を飲めば結衣ちゃんはもっと可愛い声でたくさん鳴けるからね。」
「いい子だからお薬飲もうね~」
そう言って男は口に薬と水を含み私の元へと近づいてくる。
私の手と顔はもう2人にしっかりと押さえられて抵抗できない。
もう終わりだ。
バーン!!キキーッ!!
大「結衣!!!」
その時目の前にバイクを乗った大雅兄が現れたのだった。
私は途端に涙腺が壊れたかのように涙が止まらなくなった。
そして大雅兄はバイクから降りるとすぐに私を抑えていた2人を突き飛ばし、私の下着姿を隠すように自分の上着を肩へかけてくれた。
大「怖かったな。すぐ終わるから目瞑ってろ。」
そう言って私の顔にハンカチを当てると、人を殴るような音と男たちが逃げて行く足音が聞こえた。
大「ほら、もう目開けていいぞ。」
結「た、大雅兄……」
私は涙が枯れるのではないかというくらい大雅兄にしがみついて大泣きした。
大「その格好じゃアレだから着替え持ってきてやるよ、ちょっと待ってろ。」
結「やだ。行かないで。ひとりにしないで。」
そう言って大雅兄のズボンをギュッと握ろうと思っても手が震えて力が入らない。
でもそんな私に気付いてくれて、大雅兄は電話で秀先生を呼んでくれた。
そのあとすぐに着替えを持って来てくれた秀先生。
秀「結衣ちゃんこれ、俺の服だけど。あと大雅!!いくら旧校舎でもバイクで乗り込むのはダメだろ。」
大「こっちは必死だったんだよ。」
そんな会話を聞いていると安心したのか着替えてすぐに私は気を失ってしまっていた。
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