肩こり
「寒くなってきたなあ。」
紗英がつぶやく。
寒さを堪えているのか、
肩がずっと上がっている。
歩き方がおもしろい。
「肩、凝るでしょ。」
なんとなく前から思っていたことを
聞いてみる。
「え、そうなんだよ!
肩、ほんと毎日ゴリゴリ!!!!!」
「だって肩あがってるもん…」
「あーまじかー。
そういうことね。うん、あ、納得。
だから肩凝るのか…。」
ぶつぶつ言いながら紗英はうなずいている。
セーター欲しいな。
紗英に聞こえるか聞こえないか、
それくらいの声で言ってみる。
この話をしたいようで、したくない
答えてほしいようで、そうでもないような。
でもそろそろ前に進んでもいいような
気がする。
「おお、いいじゃん、
シンプルだけどアクセントがあるみたいなやつが似合いそうだわあ。
ボタン1つだけ色違う、とかさ」
紗英はなんでもないように言う。
そしてショップのマネキンが来ているものを
指差す。
「あ、たしかに。
あーいうのいいかも。」
すとん、とすっきり落ちた。
_______チーズのピンバッジをみながら
そんな話をしたことを思い出す。
あのときみたようなのないかな。
ここから出たら
探してみよう。
店内からいい匂いがはいってくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます